第90話 いちか
いちかの両脚をM字に開かせ、膣前庭にメスを入れる。
少し茶色がかった陰毛は綺麗に整えられているが、大陰唇にも剃り跡があるので生前はお客さんの好みに合わせて、もっと広範囲に生えていたのかもしれない。
丈太郎は処置の時に見ている筈だが、さすがに一人々々の陰毛の生え方までは憶えていない。
淡々とインナーコルセットを切り出しながら丈太郎が綾に話しかける。
「ヌードダンサーなら体のラインや肌に気を使っていただろうから、肛門拳筋は細いだろう。痩せ型で小尻だから、初めて一発でヒップリフターを決められるんじゃないか?」
「確かにチャンスですけど、さっきの話を聞いてしまったからしっかり綺麗にしてあげたいです。面倒かもしれませんけど前後1個ずつ用意しておいて肛門拳筋の張りを確認しながら決めませんか?」
「君さえよければ俺に異存はない。短時間で済ませた方が君の負担が少ないだろうと思っただけだ。」
丈太郎は昨日のことを気にしているらしい。
「またお汁が垂れそうになったら拭ってもらって構いません。陽子さんには随分丁寧にやってあげてたんじゃないんですか?」
「あれは彼女のリクエストだ。君の場合は内側に溜まるから同じ事はしてやれない。」
「私だって指1本ぐらいなら入ります。」
「指を入れた訳じゃないんだが・・・。」
ムキになっていた綾が自分の失言に気付いて赤くなった。
「・・・今のは遠慮せずに必要な事をやってもらって構わないって意味で、指を入れて欲しいって事じゃないんです・・・。」
「・・・わかった。適切に対処しよう。」
インナーコルセットの切り出しが終わったので、2人で肛門拳筋が細いことを確認した後、いちかの腹腔内に溜まった血液が排出されるまで丈太郎が彼女の上体を起こして支えている間に、綾が新しいインナーコルセットとヒップリフターを取りに行った。
「冷蔵庫にお酒と食材が入っていませんが?」
「ここに入れておいたら川田にバレるじゃないか。そもそもコーティングしていない物は入れられないから多分オフィスに準備してあるだろう。そのあたり部長に抜かりはない。」
新しいインナーコルセットをセットしている丈太郎に綾が訊ねる。
「もしかして部長ってかなり有能なんですか?」
「こちら側の実務以外を1人で全部受け持ってるんだ。無能な訳ないだろう?見かけや言動に騙されるなよ。」
「じゃあ、部長・丈太郎先生・ユミさんの3人のうち誰かが欠けたら大変なことになるんじゃないですか?」
「大変と言えば大変だが、今の時代データさえあればルーティンワークはこなせる。現状維持でよければ当面は俺と川田のどちらかが残れば回らなくないし、部長の仕事は東女史でも可能だ。東女史の仕事は宮崎と榊原で代行できる。そのあとどうするかは残った人間が考えればいい。」
緩い様だが、以前ユミに聞いた話よりは考えられていたので、綾は少し安心した。
いざヒップリフターを入れた後でいちかを膝立ちにさせて調整する段になったものの、丈太郎はいちかと綾の股間を見上げたまま動かない。
彼の視線に耐えられなくなった綾がたまらず訊ねる。
「先生、どうしたんですか?」
「いや、さっきはああ言ったものの君は他人に性器を触られたことがないだろう?」
「・・・昨日、先生に触られたのが初めてです・・・。」
「それなら俺が触った時の刺激で手元が狂わない様に少し安全な体勢で一度体験してもらおうか。自分で触るのとは違うぞ。」
「少し前に出て姫を俺の胸の上に座らせてくれ。」
自分が言い出した事なので覚悟を決めた綾は膝立ちで少し前進して、いちかを丈太郎の胸の上に女の子座りさせると、彼女の頭を胸に抱いて、丈太郎の顔の真上に自分の性器を晒した。
「先生・・・これでいいですか?」
いつもと違い見せるために性器を晒す自分に興奮した綾は下腹部に熱いものを感じる。
「少しずつ触れていくぞ。」
丈太郎がまず昨日と同じように綾の小陰唇の内側を撫でると、そこは既に潤んでいた。
「ちゃんと姫を支えていろよ。」
ゆかりと違い、綾の膣口は処女幕のヒダで半ば塞がれているので、丈太郎は2本の指でその前後の端をゆっくり押してゆく。
「んんっ・・・。」
ぶるっと震えた綾の口から思わず声が漏れた。
今度は左右の縁に指を滑らせながら押してみる。
「んっ。」
「こんな感じだからよろしく頼む。あと、指は入れてないから安心しろ。」
「・・・触る時には必ず声をかけてくださいね。」
結局、元の体勢に戻って上の空でいちかを支えていた綾だが、それから一度も丈太郎に触られることなく、ヒップリフターは4番に決まった。
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