第85話 明里(陽子・岬)③

「先生、診てみてください。」


 綾が丈太郎を呼ぶ。


「今何番だ?」


「3番です。」


 丈太郎が明里の中に手を入れて直腸の張りを確認する。


「2番までいけそうだが、今まで2番の姫はいなかったからな。これでいってみるか。」

「石原くんが支えてくれるのかな?」


「はい。岬では不安ですから。」


 確かに立ち上がれば岬でも支えられるだろうが、安定感に欠けるだろう。


 みんなで明里を起こしたが、岬はほとんど役に立たなかった。



 陽子が支えて膝立ちになった明里を3人は少し離れた位置で見る。


「綺麗なお尻ですね。」


「問題があるようには見えないが、女性向きなら綺麗なヒップラインより少し筋肉質に見えた方がいいのか?」


「その通りです。無理のない範囲でお願いします。陽子もそれでいいですか?」


「多分、生前の彼女もそんな感じだったと思います。」


「そんなもんか?俺は見たことがないからな。」


「女性でもジムで鍛え過ぎるとヒップラインが崩れるそうですよ。有里が言ってました。多分、館長もそうだと思います。」


「東女史は年齢的に参考にならんだろうな。懇親会で佐藤に訊いてみよう。」



 丈太郎が2番のヒップリフターを持って明里の脚の間に仰向けに頭を入れる。


「交換する前に3番を1段上げてみるから見ていてくれ。」


 3番のヒップリフターのフックを掛け替えて評価を待っていると、どうしても上にある陽子の性器が目に入る。

 慎ましい明里の性器に比べて陽子のそれは大振りで色も濃い。

 今は大きく開いて獲物を誘う食虫植物の花のように女の匂いで丈太郎を誘っている。

 色付きが妖しさを演出してエロティックだ。


「特に変化はありません。」


「わかった。2番に替える。」


 丈太郎が3番のヒップリフターを取り出して2番を明里の中に入れようとした時、上から陽子の小さな声が聞こえた。


「先生、お汁が垂れそうなので、すみませんが拭っていただけませんか?」


「ああ・・・、気を遣わせてすまんな。」


 いちど2番を置いて優しく指で陽子の小陰唇の内側を拭う。

 陽子の腰が丈太郎の指を迎え入れるように下がった。


「もっと奥まで拭ってもらわないと、すぐにまた垂れてしまいます。」


 丈太郎は少し戸惑ったが、指を2本に増やしてヒクヒク動く開き切った陽子の膣口の縁を拭うと、愛液が丈太郎の手首まで垂れた。


「これでいいか?」


「多分大丈夫です。ありがとうございました。」



 さすがの丈太郎もここまでくると冷静ではいられず、頭の芯が痺れる様な感覚を覚えながらヒップリフターの交換を終えた。


「どうだ?」


 普通に声が出て安堵した。


「かっこいいお尻になりましたよ!」


「女性から見た理想のお尻だと思います。」


 丈太郎も明里の下からゆっくり抜け出して確認する。

 これ以上陰茎に刺激が加わるとヤバいかもしれない。

 異常な環境のせいだとしても40歳なのに情けない。


「確かに綺麗だが柔らかそうではないな。まあ女性向きならこれでいいのか。」

「無理な力がかかっていないか肛門で確認しようか。石原くんご苦労だった。もういいぞ。」


 明里にお尻を突き上げるポーズを取らせて肛門を確認したが、特に問題なさそうなので、綾が自分の髪でヒップリフターを固定する。


 残りの3人は後ろでそれを見ていたが、陽子が一歩前に出たかと思うと後ろ手で優しく丈太郎の陰茎を握り、小声で、


「先程はすみませんでした。」


 と言った。



  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る