第73話 花(みなみ・友紀)④

「3番でいこうと思うんだが。」


「小柄で細身ですから不安要素は肛門拳筋が細いことだけですね。」


 最初に試すヒップリフターは3番ということで意見が一致したので丈太郎が取り付ける。


「午後は日向にやってもらおうか。」


「やらせてもらえるのは嬉しいですけど、交換作業は嫌ですよ。」


「何だ、見られるのはいいけど見るのは嫌なのか?」


「男の露出狂ばかりが捕まるのは、被害者が通報するからなんですよ?」


「普通に女の露出狂もいるが、被害者が通報しないから捕まっていないということか?いや、この場合、半数ぐらいは被害者としての自覚が無いのかもしれないな。」


「わかってるじゃ無いですか。」


 丈太郎も、ここ数日の経験がなければ気付かなかった。



 2人で花をうつ伏せにすると、


「私が支えますね。」


 と言って、みなみが作業台に登る。


「君たちの情報共有はすごいな。」


 きっと報告会で聞いたのだろう。

 昨日は途中で終わったらしいから、ゆかりからの申し送りがあったのかもしれない。


「頼む。」

「まず肛門を見ておこう。」


 花にもう一度お尻を突き上げたポーズを取らせると、丈太郎と綾は交互に肛門拳筋を揉みながら相談する。


「肛門の拡がり、肛門拳筋の張り共に問題なさそうだが、やはり肛門拳筋の細さが気になるな。」


「あんまり引っ張りすぎると伸びてしまうでしょうか?」


「次のメンテナンスで経過がわかるまでは安全策を取りたいから、4番を試して大差なければそちらにしよう。」


「宮崎、起こすぞ。」



 作業台の上で膝立ちになった花をみなみが正面から支えている。

 なんだかんだ言ってもみなみもスレンダーな美人なので、妖精のような花の美しさをスポイルしていない。


 丈太郎たちは3人並んで花のお尻を眺める。


「いいんじゃないか?」


「特に不自然さはありませんね。」


「展示する側としては、あんまりプリッと上がったお尻は歓迎できないんですが・・・。」


「妖精の演出的にか?」


「はい、元気一杯の妖精というのもあっていいと思いますが、基本、展示は大人しい立ちポーズですから、どうしても儚い妖精という演出になるんです。」


「じゃあやっぱり4番を試すか。宮崎、いいな?」


「はい。でもその前にちょっと友紀と相談させてください。友紀、こっち来て。」


 花のところに行った友紀とみなみが何やら小声で相談している。

 それが終わるのを待って、丈太郎は花の脚の間に仰向けに頭を突っ込むが、友紀はみなみの後ろに立ったまま戻らない。

 腹の上で少し柔らかくなった陰茎がゴロンと転がる。


「そんなところで見張ってなくてもいたずらなんかしないぞ。」


 先程のことがあるので丈太郎は疑いを解こうとするが、友紀が


「そんなんじゃありませんから。」


 と言うので、気にせず作業することにした。


 3番のインナーコルセットを取り出すために花の股間を見上げると、今までになく近くにみなみの性器があることに気付く。

 みなみは長身なので、実際は近くないのだが、胸の薄い花を胸の薄いみなみが抱いて支えているため、2人が密着してしまい、そのせいで丈太郎からは見上げなくてもみなみの性器が見えてしまうのだ。


 みなみのそこは充血して開いており、小陰唇の内側は複雑な形をしていた。

 丈太郎は交換作業をしながら、その部分から愛液が垂れて来たのを見て、自分が見ているものがみなみの処女膜であることに気付いて手を止めてしまった。


 今にも丈太郎の髪に垂れそうな愛液を上から伸びてきた友紀の手が拭う。


 それに気付いみなみの小さな声が上からした。


「先生、内緒にしてくださいね。」


「何をだ?」


 丈太郎は再び手を動かしながら小声で答える。


「膜です。見えてるんでしょう?」


「ああ、わかった。でもそんなに気にするものでもないだろう。」


「キャラクターじゃないでしょう?」


「別に変じゃないと思うぞ。」



 取り替えが終わったので友紀に礼を言って、丈太郎は花のお尻の形を見るために作業台を降りた。

 今の会話と女の匂いで、鎮まりつつあった陰茎が、また上を向いている。

 友紀も後を追いてきた。


「どうだ?」


「もともとお尻が小さいから大して変化はありませんね。友紀さんは?」


「お尻の状態が問題なければこちらの方がいいと思います。こちらの都合でお尻を垂れさせるのは花ちゃんに申し訳ないです。」


 もう一度肛門を確認したが、4番でいいということになった。



 手分けして花の髪を梳かしお尻に付いた血を拭うと、仰向けに戻して綾がインナーコルセットを花の髪で括る。


 無意識に動かしているのであろう動く綾の尻に気を取られていた丈太郎の背中に柔らかくて暖かい物がふわりと当たって離れた。


「お礼にならないかもしれませんが、感謝の気持ちと口止めです。」


 振り向くと赤くなったみなみの顔があった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る