第71話 花(みなみ・友紀)②
花を仰向けに戻して両脚をM字に開かせ、膣前庭にメスを入れる。
色の濃い彼女の小陰唇は大きく、ここも大人であることを主張している。
「本間先生、花ちゃんのそこ、脚が細くてお当番のとき普通に立ってても見えちゃうから普段は折りたたんで中に隠してるんですけど、男性的には見えてた方がいいんですか?」
みなみが訊ねてくる。
丈太郎はしばらく手を止めて、
「庇護欲を刺激されるような卒業生ならそれでいいと思うが、彼女の場合は見た目が浮世離れしているから、俺としては見えている方が生々しくていいな。会員の爺さんたちは知らんが。」
と答えるが、その最中に陰茎がむくむくと勃ち上がる。
「先生、今朝はおちんちんが大人しいなぁと思ってたら、私たちには反応しなかったのにそれですか?」
綾が抗議する。
「男としてどう思うかと訊かれたから気持ちを切り替えたんだ。今朝は酒が抜け切ってないが、それでも仕事じゃなければ君たちの体を見て勃たない訳がない。」
「それなら最初に見たときには勃てるようにしてください。女としてのプライドが試されてるんです。」
「そんなに便利なものじゃないんだが・・・君らはそれでいいのか?」
「女性を褒めるのは男の甲斐性ですよ。」
「ずっとぶらぶらされるよりはマシです。」
「じゃあセクハラとか言うなよ?」
努めて我慢していた丈太郎はやるせない。
「でも、自分の体が男性を刺激する事を花ちゃんは望んでいなかったのでは?」
友紀が話を元に戻す。
「でしょうね。でも彼女は奨学金の趣旨に反して自殺した。会員さんの善意を利用したんだよ。たとえ建前の善意でもね。そこだけは会員さんに償うべきじゃない?」
「それはわかりますけど、私たちは展示されてる卒業生みんなの事情を把握してる訳じゃありませんし・・・。」
「そのへんは東館長と相談してくれるか?彼女は全員の事情を把握しているからな。井上くんの言ってることも間違いじゃないが、副館長としての視点から見えるものもあるんだ。わかってやれ。」
丈太郎の陰茎は萎んでしまった。
丈太郎が切り出すインナーコルセットを説明しながら綾が並べるのを、みなみと友紀は黙って見ている。
「展示の仕方はいろいろあるでしょうけど、後輩たちを綺麗にするのは相手がどの子でも変わらないんじゃないでしょうか?花ちゃんせっかくこんなに綺麗なんですから。」
沈黙に耐え兼ねた綾が言うと、
「そうですね。こちらに持ち込む話じゃありませんでした。」
「綾ちゃんごめんね。本間先生もありがとうございました。ミュージアムで相談します。」
「おう、頑張れ。」
ぎこちない空気がなくなったので、綾はやっと落ち着いて花を眺めた。
妖精が実在するのかどうか知らないが、本当に居るのなら、こんな感じだと思う。
スタイルは元より、大きく切れ長の目と小作りな鼻と口、薄めの唇がより一層花を妖精っぽく見せている。耳が尖っていないのが不思議なぐらいだ。
ヒトじゃないのなら、少しぐらい考え方が違っていても仕方ないとさえ思える。
「ミュージアムではお化粧するんですか?」
「衣装に合わせてね。花ちゃんの場合はコスプレ好きのスタッフが担当してるよ。」
「今度見に行きます。あ、別にコスプレ好きじゃないですよ。」
「コスプレ好きは恥ずかしいことじゃないよ。スタッフでもたくさんいるし、友紀も時々おもちゃにされるよね。」
「あれは本人に似合うかどうかより、何かに似せるのが目的なので、あまり普段のファッションやお化粧の参考にはなりません。」
話しながら丈太郎の作業を見ていると、インナーコルセットの取り出しが終わった。
みなみと友紀は上半身を起こされた花を支えているように言われる。
作業台の両側から支える2人だが、友紀の手付きが微妙にいやらしい。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます