第62話 楓②

 綾は、「大変だったんだね。」と言って楓の髪を撫でた。


「切開する前の方がわかりやすいだろうから、先に肛門の目視での確認と肛門拳筋の触診をしておこう。」


 丈太郎に言われて2人で楓にお尻を突き出した姿勢を取らせると、支える役を交代しながら交互に彼女の肛門と肛門拳筋を調べる。


「確かに切開する前の方が肛門拳筋はわかりやすいですね。でも肛門はみんな同じに見えます。」


 肛門の燻んだ部分は大きく広がり、そのせいで皺が薄くなっている。

 周りに指を添えて押さえながら左右に開くと、張りはないものの肛門拳筋の存在がわかったが、まだ慣れていないので太さまではわからない。


 その下にある楓の性器も引っ張られて口を開くが、当然ながらゆかりの様に中から何かが垂れてくるようなことはない。



 結衣を仰向けに戻して両脚をM字に開かせ、膣前庭にメスを入れる。

 彼女の体には傷1つ無く、そこもむしろ幼い感じの綺麗なピンクだ。

 インナーコルセットを切り出すが、丈太郎は言うに及ばず、綾も楓で10人目なので作業はスムーズに進む。

 新しいインナーコルセットを入れたところで2人は顔を見合わせた。


「1ステップずつ確認しながら進めようか。」


「それで無駄な部分があれば削るというのでいいと思います。」

「でも、小柄だけどお尻が大きいというのが悩ましいですね。何番にします?」


「確かに難しいが、強く引っ張った方が肛門拳筋がわかりやすいだろう。3番からだな。」



 3番のヒップリフターで楓の直腸を引っ張り肛門を中から吊り上げると、再度彼女をうつ伏せにしてお尻を突き上げさせる。


「これは・・・丁度いいか、それでなければ引っ張り過ぎだな。肛門拳筋は良くわかる。細くはないな。」

「代わろう。見てみてくれ。」


 綾の見立ても似たようなものだったので、次は楓を膝立ちにしてお尻の形を見る。


「ちょっと不自然かもしれません。引っ張り過ぎたせいでしょうか?」


「代わってくれ、俺にわかるかどうかわからんが、一応見てから4番に替えよう。」


 支える役を綾と交代する。

 楓は小柄なので、綾でも無理なく支えられた。

 楓の尻を見た丈太郎は、


「言われてみればそうなのかもしれん。これは4番でも微妙かもしれんぞ。」


 と言って、4番のヒップリフターを持つと、楓の脚の間に仰向けに潜り込んだ。



 4番に交換すると、もう一度お尻の形を確認する。

 それぞれの感想は、


「正直よくわからん。」


「少し下がったかもしれませんが、不自然さは無くなったと思います。」


 これでいいという事になったが、最後に肛門を確認するために、もう一度楓をうつ伏せにする。


「自然な感じだな。肛門拳筋の手応えは少し弱くなったか?」


「こっちの方がいいと思います。私には手触りの違いはわかりません。」



 2人で楓を仰向けに戻しながら話し合う。


「俺は形より揉んだ方が違いがわかるみたいだな。」

「ただ、どんな感触にすればいいかがまだわからん。泌尿器科だったらわかるのかもしれんが、肛門拳筋の動きなんて考えたこともないからな。」


 綾は、髪の毛で楓の中のヒップリフターを固定しながら、声が震えないように努めて普通の声で、


「それなら私で実習しませんか?」


 と提案した。

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