第58話 結衣(ゆかり)③

 丈太郎が結衣の中で綾の手を取って肛門拳筋の位置を教える。


「これが肛門と仙骨などを繋いでいる。この辺はいろんな筋肉があるから張力が変わると尻全体に影響が出るというのはあり得ない話じゃない。複雑な筋肉だから肛門側の端はわかるが反対側がはっきりしないので、長さの違いを見分けるのは難しいだろう。問題は太さの違いがどれだけ張力に影響するかだな。」


「こちらもすぐに結果の出る目安じゃなさそうですね。肛門と違って画像で比べる訳にもいきませんし。」


「確認するのに手間のかかるものじゃないからいいじゃないか。意外とこういう小さな情報の蓄積が後で役に立つもんだ。」

「で、3番でいくか4番でいくかだが、3番からいこうと思う。」


「理由は何ですか?」


「見学者が見てくれるうちに数をこなしてセンスを磨く。」


「4番も試すこと前提ですね。」


「反対か?」


「いいえ。」



 まずは3番のヒップリフターを入れ、前回決めた通り綾が結衣を支えて膝立ちさせる。


「堀江くん、お尻の具合を見ていてくれよ。」


 と横に立った丈太郎が言うが、ゆかりが


「先生、私が支えて綾ちゃんに見てもらった方がいいんじゃないですか?」


 と提案してきた。


「それはその方が日向の経験になるんだが、次のヒップリフターに替えるのは、あの姿勢のままやるんだぞ。」


 さすがに丈太郎も言葉を選んで説明する。


「報告会で聞きましたからわかっています。下から覗かれるぐらい大丈夫です。卒業生の私たちはかわいい後輩のためにならいくらでも自分の体を提供するつもりですから役に立てる事があれば何でも言ってください。」

「腕を入れられるのは困りますが、指ぐらいなら大丈夫ですよ?」


 ゆかりがいたずらっぽく微笑む。



 ゆかりが綾と交代して結衣を支える。

 姉妹のような2人が全裸で抱き合っている構図だ。

 妹に見える結衣だけに陰毛があるのに妙にそそられる。

 4番を持って作業台に登ろうとする丈太郎に、綾が「いたずらしちゃダメですよ。」と声をかけた。


 結衣の脚の間に仰向けに頭を突っ込んだ丈太郎は、まず3番の位置を上にしてみてから、4番に交換する。

 丈太郎が少し視線を上に向けるとそこには開き切ったゆかりの性器がある。

 大きな胸が挟まっているせいか、綾が支えている時より離れた位置にあるそれは、陰核が顔を覗かせ、口を開いた膣口がゆっくりヒクついて雫を垂らしているが幸い距離があるせいで丈太郎の頭にはかかっていない。

 かつてない程濃い女の匂いにも刺激されて、手を動かしているにも関わらず、丈太郎の陰茎は大きくなったままだ。


 綾は丈太郎の陰茎越しに結衣のお尻を見ている。

 その手は無意識に股間に添えられている。


「先生。3番を上げた時の方が良かったと思います。」


「初めてのケースだな。一応4番も上げてみるが変わらなかったら戻そう。」


 結局3番になった。



 もう一度結衣にお尻を上げさせて、結衣の肛門を確認する。


 肛門の周りの皺のある燻んだ部分は標準と思われる範囲に収まっていた。

 その周囲を指で揉んでみると、はっきり肛門拳筋がわかる。


「はっきり違いがわかるな。俺は尻の形がよくわからないから、2人でやる時はこっちの方がいいかもしれないな。」


「午後のメンテナンスで試してみますか?」


「そうしよう。」



 結衣を座らせて、ゆかりが彼女の髪を梳かし、丈太郎と綾は濡らした手でお尻を撫でる。


 姉が妹の髪を梳かしているような微笑ましい光景だ。


 位置が入れ替わる時、綾のお尻に熱いものが当たった。


「きゃっ!」


 綾が振り返る。


「先生、それ大きくなったままですけど邪魔じゃないんですか?」


「邪魔だがなかなか治まってくれなくてな。匂いというのは理性を超えて直接本能を刺激してしまうんだ。」


「申し訳ありません。私も我慢しようと思ったのですが・・・。」


 申し訳なさそうにゆかりが言うが、綾も目を伏せている。


「仕方ないさ。体の反応だからな。我慢しようとするほど逆に作用する場合もある。」


「換気装置は無いんですか?」


「一応、空気清浄器に化学物質吸着フィルターはついているが、ナノマシンが居るからあまり手荒な処理はできないんだ。」

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