第17話 理沙
髪と陰毛をを濡らすためにざっとシャワーを浴びた2人は処置室に戻った。
友里恵を納めた引き出しの隣に入っていたのはショートカットの高校生ぐらいの美少女だった。
「笹崎理沙。年齢は・・・高校生だったかな?憶えていない。この場合は享年か?」
「先生、彼女たち全員の名前を憶えてるんですか?」
「何日もかけてあっちこっち弄るんだから嫌でも憶えるさ。型にも名前は刻んであるがな。」
確かによく見ると頭の上に SASAZAKI RISA とある。
白地に白なので見えにくい。
丈太郎が抱き上げて作業台に移すと、綾が思っていたより小柄だった。
もしかすると綾より小さいかもしれない。
髪は黒のショートボブ、発育途上のスレンダーな体も相俟ってスポーツ少女という感じだ。日焼けはしていないが。
2人で作業台をガス灯の光がいちばん届く処置室の真ん中に戻す。
「向こうにある小さな作業台を持ってきてくれ。」
丈太郎が視線を向けた壁際に理沙が載っているのよりふた回りほど小さい作業台があったので、綾は引っ張ってきて横に並べる。
「やることは主に展示中に歪んでしまったインナーコルセットの摘出と新しい物への交換だ。これはメスでしかできないから、君には中で分割して取り出したインナーコルセットをそこで並べ直してイメージトレーニングをしてもらう。」
「はい。」
綾が頷いたのを確認すると、丈太郎は理沙の脚をM字に開かせると、ゆりえの時と同じようにメスで会陰部から切開する。
陰毛が薄いのでピンク色の中身がよく見える。
死体だった友里恵と違い、切り口からはサラサラした血液が滲み出す。
生きた人間よりは量が少ないが、明らかに死体とは違う。
違うと言えば、ゆりえの脚はM字に開かされた時グラグラしていたが、理沙の脚は安定している。
「血圧が無いからあまり血は出ない。」
と説明しながら丈太郎は一度メスを器具の入ってるトレイに戻し、細身のペンチの様な器具を手に取り、
「これで切り出したインナーコルセットを切り分けて取り出す。」
と言って、切開した理沙の膣の中に入れ、メスを取り直すと両手を膣の中に入れた。
中で何をしているかは綾には見えないが、何回かパチンいう音がしたあとで、丈太郎が小動物のあばらのようなインナーコルセットの切れ端を取り出す頃には理沙の膣から流れ出す血液の量が少し増えた。
鮮血に塗れ理沙の肉が少し付いたそれを受け取った綾が。
「スペアリブみたいですね。」
と言うと、
「余裕だな。その調子なら歓迎会で焼肉に行っても食えるか?」
と言われた。
何度目かからは複数のインナーコルセットのパーツの間に理沙の肉が挟まった、もっとスペアリブっぽいものが取り出されるようになり、綾はそれらを水道で血を洗い流して自分の作業台に並べてゆく。
最初に取り出したパーツが小さかったのは、いちばん端で裏側にメスが入れ難かったせいのようだ。
いくつか並べるとインナーコルセットの内側に当たる側は粘膜状になっていることがわかった。
膣から流れ出す血液が少しずつ増えていったので綾は心配になったが、ある程度増えた後は一定になった。
理沙の顔色も変わらない。
少し吊り上がった猫目のかわいい表情だ。
「出血量が一定になってきましたね。」
綾の言葉に丈太郎は
「俺がメスで血管を切るペースとナノマシンが止血するペースが同じになったんだ。
念のため姫の顔色を見ていてくれ。」
と答えた。
小一時間かけて理沙の下半身のインナーコルセットを取り出し終えると、丈太郎は
理沙の膣から両手を抜いて、
「残りは上から切り分けるから、下から取り出してくれ。」
と言って、彼女の脇の下を切開し始めた。
「私の手を切らないでくださいね。」
「切り分けた分は下に送るから、君が手を入れすぎなければ大丈夫だ。」
と言われて、綾は膣から理沙の体内に手を入れてみる。
死体だった友里恵と違って暖かい。
中に溜まった血液はサラサラで量もあまり多くない。
「毛細血管しか無いんですか?」
「今はな。組織の再生に合わせて太い血管もできるが、再生が終われば毛細血管だけになる。姫の体は人間のものじゃないんだ。むしろ植物に近い。」
そう言われても、手触りだけでは綾にはゆりえの体内との違いはわからなかった。
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