第8話
かまくらについた3人は室の中に身を潜め道中で拾った木の実や果実を食ししばらくの間休息を取った。そして一夜が過ぎた頃、外の景色を眺める内藤はふと思った「あれ、時間の概念が無いんだよななぜ昼夜が存在する?それにこれは体感ではあるが朝、昼、夜と体感温度が違う」そう言うと鈴木はそれでも自分たちが歳を取らないのはこの世界自体が24時間を迎えるとリセットされ人間はその現象の非対称になっている」と語る。
内藤「本当に?確信が持てる訳じゃないのに断言するのはよくないよ」佐藤「でもな、俺たちも必死なんだよクリーチャーと闘いながらこの世界で生活するのはお前は来てまだ短いが俺たちは100年だぞ考えたことあるのか?」佐藤がそう言うと2人はしばらく沈黙した。そして佐藤はこの世界の地形と成り立ちを内藤に説明した。
「まずこの世界には今いる仙寒山を含めて4つの山が存在する木々が生い茂る環境に
命の泉から出る水蒸気の恩恵により人間が一番好む山「桜花山」桜花山の斜め下に位置する一歩足を踏み入れると灼熱の劫火に見舞われ太陽の涙の異名を持つ「紅炎山」紅炎山の反対側に位置する洞窟を挟んだ難所でありながらクリーチャーが一番好む場所「枯籠山」そして極寒による吹雪と瞬間冷凍の影響があり人間、クリーチャー共に近寄らない桜花山の反対側に位置する「仙寒山」そしてこの山々に連なる陸地は
山の環境を受けやすく俺たちがいた世界とは季節の概念が異なる。
つまり季節を待つのではなく決まった季節を渡り歩くといったほうがわかりやすいか」内藤「でもここに来るまで何キロ歩いた?それに能力があるとはいえこの距離を徒歩移動は気が遠くなるよ、車やバイクがあればな~」鈴木「自動車か俺の時代は蒸気自動車が普及していたが正直今の俺のほうが早いぞ、我慢しろ」といった。
そして3人は話し合い修業の成果を兼ねてクリーチャーを倒し死体を独自解析することを決め仙寒山を下る。その際鈴木は内藤の言葉を思い出す、本当にここは現実世界とは違うのかなぜ送られてくるのは20代の若者なのか日露戦争で父親
を亡くした鈴木はここに来てがむしゃらだった。唯一の救いが同世代の佐藤で今まで信頼を置いていた、だがそれもいつか終わってしまうそう思うと彼は胸が痛くなった。彼は内心内藤を疑いじっと空を見ていた。
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