第二十話 デイ・ドリーム
2004年8月24日、火曜日、夢の中
「アナタ、二人目の男の子よぉ!」
「おぉ~~~、よくやった、でかしたぞ、また男の子か!名前、ちゃんと考えてきてあるぞ!」
「駄目です、今回は私が名付けるって約束だったはずですよ、アナタ」
「しかしぃ~~~っ!」
「ア・ナ・タ」
「そんな目で見るな、わかっている。それで名前は?」
「タカト、アナタの貴に北斗の斗」
「またかぁ~、美鈴?私の名前を使って、龍一のと・・・、悪かった、そんな怖い顔をするなよぉ~!でっ?その意は」
「貴は私たちがこの子を貴ぶのではなく、この子が人に対して優しく貴ぶ事が出来るように、斗は己と闘い、なお自分を捨てず意志の強い子に」
「ウム、素晴らしい名前だぞ!流石、私の美鈴」
「もう、アナタったら、でも分かって頂けてうれしいわ」
「剣の所の香澄ちゃんと同い年だし、仲良くさせてもらおう」
「あら、それなら勿論、詩音の所の双子姉妹の詩織ちゃんと・・・、も一緒です」
「生まれながらにして両手に華だな、貴斗よ!ハハハッ」
「もうアナタったら、ウフフフッ」
なぜ、俺はこんな生まれたばかりで自分では覚えているはずもない夢を見るのだろうか?こんな夢を見ている時じゃない、春香が心配だ、しかし如何すれば・・・。
2004年8月25日、水曜日
<ここはいったい?>
周りには何もなく、浮んでいるのか地面に立っているのかわからない状態にいた。すると一瞬、目の前がまばゆく白む。そのとき俺が見たものは?幻影?それともここはあの世なのだろうか?
<父さん、母さん、それに龍一兄さんまで、どうしてここに?それより、聞いてくれ・・・>
自分のした事を、そして今の自分の気持ちを両親と兄さんに伝えた。
<ドウすれば良い、どうすれば皆、分かってくれる?>
しかし、彼等は微笑むだけで何も答えてはくれなかった。自分で解決しろって事か?やがてカレラの姿は次第に薄くなり消えそうになる。
<父さん、母さん、俺を置いて逝かないで>
<龍一兄さんも待ってよぉ~~~っ!みんなぁ~~~っ>
俺の声も空しくカレラには届かなかった。そして俺もそこから消えた。だが、今までの俺自身の行動を顧みて、一つだけ決心した事がある。それは・・・・・・・。
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