第四十八話 凄惨な出来事のあった1日目とは違い、比較的平穏な2日目
※嬉しいご報告。
今回から【ピー】音が解除されてますd( ̄  ̄⭐︎)
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天使の持ってきた兵器により、ゴブリントリオが生きたままハンバーガーにされるというあまりにも酷い出来事のあった1日目が終わり、2日目。
「ふんふふんふ、ふーふふふんふ――♪」
「いい景色ね。ジン」
「ああ、精神も心も魂も肉体も癒されるぜ」
馬車に揺られ、天使の歌う鼻歌を聴きながら、ミイナは馬車から見える景色を楽しんでいた。
天使の鼻歌は悔しいが素晴らしく、それをBGMにするだけでなんだか豪華な馬車の旅をしているような気分になってしまう。
まあ正直ミイナがいるだけで、そんなのはどうでもいいけどな。
俺は今、馬車からの景色ではなく、ミイナの世界一可愛らしく、かつ宇宙一愛らしい横顔を観賞していた。
ミイナ可愛い。なんでこんなに可愛いんだミイナ。
「ふふ♪――…………むー、ジンくんの馬鹿」
不機嫌な声で天使の鼻歌が止まり。
「ミイナさん、私も一緒に景色見ます」
「うわ! いきなり抱きついてこないでよ」
「えへへ、ごめんなさい」
「もう、天使ったら」
呆れるミイナに頭を撫でられながら、天使が猫のように目を細める。
そして俺と目が合うと、パチンとウインクしてきた。
ピキッ。
天使のやろう、よくも俺の絶景を汚しやがって、許さねぇ。
天使コロス。
怒りのオーラを全身から放出しながら拳をグーにして、胸ではなくあのムカつく顔を殴ってやろうと殺意マックスハートで力をためる。
「あ、見て見てジン。あっちで『ニクショクウサギ』が『ソウショクライオン』を食べてるわ」
とミイナが馬車の窓から指を刺して楽しそうに報告してきた。
超可愛えぇ!
まるで『いてつくかわいさ』なミイナのキラキラした笑顔で、俺の殺意はあっさりと消し飛び、天使の顔を1800°回転させるパワーを失った。
けどそんなのはもうどうでもいい。
ミイナ、イズ、ゴッデス。ベリーベリー超キュート❤️
気がつけば俺は目をハートにして、愛らしく景色を眺めるミイナの横顔から顔を動かせなくなっていた。
すると天使が「むー」と頬を膨らませながら俺とミイナの間に割り込み。
「ジンくんジンくん。ウサギさんがライオンさんを美味しそーに食べてますよ❤️」
とぶりっ子全開で、更には「ぴょんぴょん、がおー」とウサギやライオンのポーズをしながら報告してきた。
ピキッピキッ。
……っと、いかんいかん、落ち着け俺。
せっかくミイナのおかげで殺意が消えたのに、また『天使コロス』パワーが復活しそうだった。
なので俺は、心の中で覚えてる限りの般若心経を唱える。
「……どれどれ」
仏の心でイライラを消し、悟ったような表情で窓の外を見ると、崖下の草原にいる象のように大きく、鋭い牙や爪の生えた雄々しいウサギが、牛のようにでっぷり太っているライオンをむしゃむしゃ食べていた。
「本当だ。ウサギがライオンを………………はあ!?」
「やっぱり『百獣の王』は迫力あるわね」
「せ、せやな」
ウサギが『百獣の王』、か。
ウサギがライオンを食べるという光景は見慣れないものだったが、これはこれで新鮮だった。
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