第12話 イブの悲劇

そして、12月24日。


クリスマス・イブの日。



この前、


『淋しい者同士、イブ、一緒に過ごしませんか?』



そう誘われ、私は意地悪しては、誤魔化しつつ、OKの返事をした。


友達としてプレゼントを用意して――――




だけど、正直、高希君に対して本気になっている事。



ううん――――




もう恋となり


愛が芽生えている。





『一緒に過ごそう』



その一言が正直嬉しかった。



―――本気勝負―――



思い切り


オシャレして


自分の


素直な気持ち


彼に伝えたい―――――





《うわ…久しぶりにこのドキドキ感》


《26にもなってガラにもなくドキドキしている》






待ち合わせ時間


街中は既に


カップルだらけ


でも―――



待ち合わせ時間になっても


高希君は


現れなかった




「どうしたんだろう?待ち合わせ時間過ぎてるし」




時間は刻一刻と過ぎていく。




「おかしいな…」




雲行きは怪しくなり


雨雪混じりのしぐれが降り始める。





「待ちぼうけくらって…おまけに天気悪過ぎ……」




私は高希君のアパートに行く事にした。




すると八会う私達。


そして目を疑う光景を私は目の当たりにした。




ズキン


胸の奥が痛む。




高希君の隣には私よりも明らかに年下で、高希君と年齢が変わらないような小柄な女の子がいた。




「…高希…君……」


「憐花さん?」




バッ


走り去る私。




「ま、待って!誤解っ!憐花さんっ!」




後を追ってくる高希君。






「ごめんっ!あかりっ!部屋に入って待ってて!」


「えっ!?あっ!ちょ、ちょっとお兄ちゃんっ!」




私はそんな事など知るよしもなく、そのまま走り去る。





「憐花さんっ!」





ブッブー……



車のクラクションが響き渡る中、一台の車が突進してくる。




キキーーーーッ





ドンッ



急ブレーキが聞こえ、鈍い音が耳が響き渡った。




ポトッ




地面に転がる人影と共に、プレゼントが手元から離れた。



それは紛れも無く、愛する人に渡すはずだった……






「…憐……花…さ…ん…?」




駆け寄る俺。




「憐花さんっ!憐花さんっ!」



「………………」



俺はすぐに救急車を手配した。





ピーポー……



ピーポー………





「……憐花さん……」






憐花さんを乗せた救急車に、俺も乗る。


俺は憐花さんの手を握りしめる中、彼女を見つめ、助かる事を願うしかなかった。


































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