第11話 心理作戦!?
そして、あれから私の足が治るまで毎日のように送迎で行き来してくれた高希君。
衣千子は職場の同僚の為、良くしてくれていた。
私は二人にお世話になりっぱなしで完治した後は瀏遠君含め4人で会う事にした。
その日の帰り。
高希君に寄るように言われ私は高希君の部屋に寄る。
「今日は、御馳走様でした。すみません、寄って貰うようにお願いしてしまって」
「ううん、全然良いよ。今回に関しては、まさか送迎とか身の周りの事をしてくれるなんて思わなくて、正直、食事をおごるだけじゃ足りない位だよ」
「そうですか?当たり前の事をしただけですよ」
「そうだとしても私の中では大サービスだよ。だって私達付き合ってもいないのに」
「そうですね。確かに付き合っていないですよね?だけど友達としてなら問題無いんじゃないかと思いますけど違いますか?」
「それは…」
「ちなみに食事をおごるだけじゃ物足りないというなら…他にどんなサービスしてくれるんですか?」
「えっ?」
グイッと引き寄せる高希君。
ドキッ
私の胸が大きく跳ねる。
「何か特別なお礼して下さるんですか?」
高希君は私を優しい眼差しで私を見つめる。
滅多に見る事のない高希君の表情や態度に私の胸はドキドキ加速する。
「えっ?」
見つめ合う私達。
「…あ…えっと…」
顔を近付けて来るとキスをし私をゆっくりと倒していく高希君。
ドキン…
ドキン…
胸が高鳴り加速していく。
スッ
離れる高希君。
「なーんて嘘ですよ。驚きました?」
「驚くも何も…」
体を起こしながら言う私を抱き寄せた。
ドキン
「お互いの気持ちが1つになった時、憐花さんを抱かせて下さい」
「…うん…」
「あっ!今、うん。と言いましたね?」
抱き寄せた体を離す。
「えっ!?いや…えっと…」
「撤回しませんよ?…と、いう事は少しは可能性があるわけだ」
「えっ?ち、違…そういうわけじゃ…」
「ええーーっ!!違うんですか?」
「いや…だって…」
「………………」
「分かりました!」
「えっ?」
「俺、頑張ります。そして、待ちますね」
「高希君?」
「憐花さんが俺の事好きになってもらえるように」
ドキン
「えっ?高希君…それって…私の事…」
「えっ?違いますよ」
「えっ!?」
クスクス笑う高希君。
「俺、憐花さんの本心が分からないから、そう答えているだけですよ。と、いうより…答えるしか出来ません」
「高希君…」
「お互いの本心が見え隠れしているし、嘘か本当か分からないので」
「…そうか…そうだよね…」
私達は話題を変え、2人だけの時間を過ごした。
別に何をするわけではなく――――
♪…恋人はサンタクロース……
クリスマスシーズン。
クリスマスソングが流れる中、クリスマスを感じさせる今日この頃。
私はいつもの店で一人飲んでいた。
「クリスマスか…」
ボン
私の両肩を叩く。
ビクッ
「きゃあっ!」
「何しんみりしてるんですか?」
「高希君!」
そこには見覚えのある顔なじみの高希君の姿。
「一人ですか?」
「うん。クリスマスシーズンなのに一人なんだよね」
「隣良いですか?」
「良いけど、彼女に誤解されても知らないよ」
「えっ!?彼女ですか?」
「うん。だって前に一緒にいる所を見た事あるし」
「上司の人ですか?」
「違う!また別の人。私が足を痛めた日」
「あれ?俺、話しませんでした?」
「聞いてない!意地悪して話してくれなかったから」
「あー…じゃあ、そのままで」
「えっ!?何それ!」
「………………」
クスクス笑う高希君。
「イトコですよ」
「えっ!?イトコ!?」
「はい、イトコです。あっ!もしかしてやっぱり妬いてくれてたんですか?」
「妬いてないから!」
「即答!?」
「当たり前でしょう?私は別に高希君の事は何とも思ってないし!」
「本当、相変わらず意地張るんだ」
「意地張ってないから」
「はい、はい」
「本当だってば!」
私達は騒ぐ中、相変わらずな関係で一緒に飲んでいた。
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