9/10(金) ䷆ 地水師(ちすゐし) 四爻三爻

9/10(金) ䷆ 地水師(ちすゐし) 四爻三爻


【運勢】

有事の際は、より一層規律を重んじ統率を確実なものにしなければならない。


志操堅固な人が、民を正しい方向へ導くだろう。


積極的に革新を行うよりも、周りと協力した上で過去を反省し、地道な改善に取り組む方が良い。


【結果】䷆◎四⚪︎三

地水師(ちすゐし) 初爻三爻


《卦辭》


[上爻 少陰][五爻 少陰][四爻 老陰]


[三爻 老陰][二爻 少陽][初爻 少陰]


《爻辭》


[四爻 優先][三爻]


【原文】

《卦辭》

師は貞なり。丈人なれば咎无し。

彖に曰はく、師は衆なり。貞は正なり。能く衆を以て正す。以て王たるべし。剛中にして應ず。險を行ひて順。此れを以て天下を毒し、而して民之に從ふ。吉又何の咎あらんや。

象に曰はく、地中に水あれば師。君子以て民を容れ衆を畜(たくは)ふ。


《爻辭》

[四爻 優先]

六四。師左次(さじ)す、咎なし。

象に曰く、左次す、咎なしとは、いまだ常を失わざるなり。

[三爻]

六三。師或いは尸を輿(を)ふ。凶。

象に曰はく、師或いは尸を輿ふとは大いに功无きなり。


【解釋】

〔王弼の解釋〕

《卦辭》

丈人とは莊󠄂嚴の称である。師の正しいものである。戦争が起こり民を動かす。功罪はない。だから吉。咎めはない。毒は戦争のことである。


《爻辭》

[四爻 優先]

位を得れども應ずること无く、應ずること无ければ以て行くべからず。位を得れば則ち以て處るべし。故に之を左次す咎无きなり。師の法を行ふや、右に背ろ高からんと欲す。故に之を左次す。

[三爻]

陰で陽に居て柔で剛に乘る。進んでも応じる者がいない。守るところがない。これで軍隊を用いる。よろしくない。


〔東涯の解釋〕

《卦辭》

師は衆のことである。古は陳では五人を伍とした。それを集めて二千五百人になると師といつた。だから師とは軍のことである。内卦は水で外卦は地である。二爻のみが陽である。衆陰をすべて下卦に居る。丈人は老成した人のこと。二爻は剛中で応じている。主爻である。険難の時にあり、柔順である。天下に戦争の危機があり、人々は従う。老成の優秀な人を得て成功する。古より兵法には二つある。暴徒を誅し、乱を平らげ、民の害を除くのが兵を用いる時の根本である。良將を任じればよく尽くしてくれるので兵の要である。だから先王は戦えば必ず勝利したのである。土地は人民が居るところである。君子は庶民をよく束ねて軍団を維持する。普段は生業を保証し、戦争の時は軍人として招集したのである。


《爻辭》

[四爻 優先]

[三爻]

軍が敗れて戦死者を背負って帰る。陰柔の才があり、不中不正。下卦の上位に居て、才がなく志は大きい。人が頼りにすべきものでない。この人に軍を仕切らせたら必ず負ける。國の大事は祭祀と遠征である。才が称賛に値しないものは統治できない。志ばかりが高く自らの才能を客観的に評価できないのであれば、勝利はない。律は法である。行軍の規律である。一時的な勝利をおさめても最終的には敗北する。


〔根本通明の解釋〕

《卦辞》

師は師(いく)さの卦である。師さには、軍と師と旅と三つある。軍(いく)さは一万ニ千五百人、その次の師さは二千五百人、その次の旅(いくさ)は五百人である。此処で師と云うのは、軍と旅とを内に兼ねる意味である。師さを用いるには、正当性がなければいけない。丈人は年の長じた人のことである。これは先に生まれたものであり、次男や三男でなく、長子であれば吉である。戦争に勝った上に、正しい師さである故、咎が無い。

[彖伝]

国内の人民を以て兵を組立て、以て無道なる者を討って、之を正しくする。そうして天下に王たるべき徳が成る。二爻目が陽爻であり、剛中を得て居る。中庸の徳があり、天下悉く応じる所がある。毒の字は馬融の解に「毒者治也」とある。毒薬を以て邪を除いて能く治まる所がある。師さに勝って、その正しき所を見れば、之を咎める者も無い。

[象伝]

外卦は坤で地、内卦は坎で水である。其所で地の中に水があるという象である。また坤は国であり、地中に水が含まれているように、国内の男子は皆兵隊である。君子は多くの民を能く畜(やし)なう。


《爻辭》

[四爻 優先]

[三爻]

六三と六四は元帥を補佐する所の大将である。二三四爻目は震の卦であり、之は長子乃ち皇太子の象である。三四爻目の陰爻が二爻目の陽爻に随って居る。此の陽爻は大元帥で、二つの陰爻は左右の翼である。六三は坎の卦として見れば、最も危険な一番上にある。其所で元帥の命を受けずに無理な戦いを仕掛けて、大敗を為した。其所で凶である。

[象伝]

六三は一通りの敗れ方ではない。是迄の功も、此の敗北の為に失ってしまった。

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