僕らは異世界で夏休みの宿題を手伝わされる

@Jbomadao

本編


「おぉ! 勇者たちよ! よく召喚に応じてくれた‼」


 夏休みも終わり、うだる様な暑さの中、気だるげな足取りで登校したタダクニたちを待ち構えていたのは、まさかの異世界召喚だった。

 戸惑うクラスメイト達を他所に、目の前の国王らしき男が必死に頭を下げてきた。


「今、この国は危機に瀕しておる‼ 勇者たちよ! 我らをお救いくだされ‼」


 その真剣な表情に、その場にいる全員が息を呑んだ。

 魔王の侵略か? それとも邪神の復活か?

 とにかく、ただならぬ事態なのは間違いないだろう。

 国王は真剣な表情で「実は……」と説明を始めた。











「娘の夏休みの宿題がまだ終わってないので、手伝ってほしいのじゃ」

「帰っていいっすか?」


 ……ホント、しょーもない理由だった。


「何故だ!? 勇者たちよ!? なぜ、断る!?」

「逆に聞きますが、なんで承諾してくれると思ったんですか?」

「別に命懸けで魔王を倒しに行けと言ってるわけではないだろう‼」


 ……むしろそっちの方が良かったわ。いや、良くないけど。


 まさかの理由に呆れるクラス一同。

 詳しい事情を聞くと、どうやらこの国のお姫様、夏休み中、遊び惚けてしまい、気づけば始業式一週間前。

 現在、王妃様につきっきりで宿題を見てもらっているものの、到底全部終わりそうにない。

 仕方なく、国王はこの未曽有の危機(お姫様にとっての)に、勇者召喚を行ったと言う訳である。


 ……正直に言って、馬鹿らしいこと、この上ない。


「頼む、このままだと、儂も連座で責任を取らされ、おこずかいを半分にされてしまうんじゃ‼」

「大丈夫です。僕らは痛くもかゆくもないんで」


 って言うか、手伝う理由もないんですが?

 そう言って、冷たくあしらおうとすると、クラス一のイケメン・カズタカがズイッと、前に現れ……


「いいでしょう! 俺たちに任せてください‼」


 勝手に承諾しやがった。


「おおっ! 勇者よ! 誠か!? 本当に手伝ってくれるのか!?」

「えぇ! 俺たちの手にかかれば、夏休みの宿題など、あっという間に終わりますよ‼」

「いや、なに勝手に決めてくれてんの? お前」


 あまりにも身勝手な行動に、イラっとするタダクニ。

 クラスメイトたちも、手にしたケシゴムやら、ボールペンやら、コンパスやカッターやら、彫刻刀やらを今にも投げつけそうな勢いだ。イケメン=人望があると思ったら大間違いである。

 しかし、カズタカは動じず、説得を続ける。


「みんな、聞いてくれ! 確かに、勝手に召喚され、勝手に夏休みの宿題を手伝ってくれだなんて、理不尽だと俺も思う! だが、俺は困っている人たちを見捨てたくないんだ! なにより、彼らの気持ちはよく分かる」

「そりゃそうだろ。だってお前、昨日まで俺の家で、泣きながら夏休みの宿題やってたもん」


 そう。カズタカは昨日までタダクニの家で、泣く泣く夏休みの宿題をやっていたのだ。

 タダクニも、親に言われて仕方なく手伝ってやった。

 結果、夜中の十一時までかかり、なんとか終わった。

 はっきり言おう。この恨みは忘れん。


「俺は、夏休み最終日を泣きながら宿題をするなんて、苦い記憶で終わらせたくないんだ!」

「自業自得でいいじゃない?」

「なにより、早く宿題を終わらせれば実質、夏休みが増える! それは喜ばしいことだろう!?」

「そっちが狙いか」


 聞くところによると、こっちは元の世界と時間の流れが違うらしく、送還されると召喚された直後の時間に戻るそうだ。都合がいいな。


「みんな、ここは一つ夏休みの宿題を終わらせるのを手伝って、俺たちだけ夏休みの延長をエンジョイしようじゃないか!」


「あと、コンパス投げないで!」とキリっとした表情で言うカズタカ。

 まぁ、こいつの言いたいことは分かる。

 見れば、何人か「まぁ、確かに宿題手伝うくらいならいいか……」と言う反応も何人か見れる。


 そんな中、一人の少女が「異議あり!」と手を上げた。

 我がクラスの巨乳ポニテメガネ委員長・氷川さんだ。


「ふざけないでください! 私たちを無理やり誘拐して、自分の都合ばかり押し付けて! そんなことが許されると思ってるんですか!?」


 一国の国王にも動じず、激昂する氷川さん。しかし、その意見は正論だった。

 国王も「す、すまん」と後ろめたさから謝罪するも、その程度で彼女は止まらなかった。


「とにかく、私たちを今すぐ、元の世界に戻してください! さもなくば――」


 言って、彼女は懐からそれを取り出し、国王に突き付けた。


「一人辺りの時給八七〇円でお願いします!」

「いや、金取るんかい」


 スマホの電卓機能で導き出した、一人辺りの時給を見せつけ氷川さんはクールに言った。

 我らが委員長は実に守銭奴であった。




「えー……そう言う訳で、夏休みの宿題を手伝うことになったので、ここは班を作り分担してやっていこうと思います」


 王城の会議室。結局、なんやかんやで、宿題を手伝うことになったタダクニたち。

 缶詰め状態からの脱走を企てていた姫と王妃の追いかけっこを尻目に案内された場所で、一同は今後の方針を決めることになった。

 ちなみに進行は氷川さんともう一人の委員長に加え、たまたま日直だったタダクニでやることになった。


 タダクニは国王から渡された魔法のペンで空中に、終わってない夏休みの宿題を「ここにきて、ようやく異世界ファンタジーっぽくなってきたな」と思いながら列記した。


・各教科問題集

・アサガオの観察日記

・自由研究

・自由工作

・読書感想文

・防犯ポスター

・習字

・手芸


「――この内、問題集は現在、お姫様が泣きながらやっていて、アサガオの観察日記は国王が毎日やってるらしいので、俺たちがやるのは六つ。うちのクラスは三〇人だから、五人一組になって終わらせていくことになりました」


 問題はこれを、どう振り分けるかだ。

 とりあえず、希望を取ろうとしたら、スッと一人の男子生徒が手を上げた。

 クラス一の不良・荒井である。


「だったら自由工作は俺がもらうぜ!」

「あぁ、じゃあ、荒井くんは自由工作ね。でも何作る気?」


 なんせ、相手は不良だ。

 変なものを作らないかと不安になり、一応聞いてみる。

 すると荒井は「んなもん決まってんだろ!」と懐からそれを取り出した。


「今年のロボット甲子園で惜しくも決勝で破れた俺たちの最高傑作『蹴部消失(ケルベロス)壱豪』の魂の後継機『武火威猛執(ベヒーモス)弐豪』で夜路死苦ぅ‼」

「いや、完成度ヤバいなオイ!」


 荒井が取り出したのは、滅茶苦茶詳細に書かれたロボットの設計図だった。

 これ、絶対夏休みの宿題のレベルに納めていいもんじゃねぇだろ。


「って言うか、お前ロボット研究部だったんだ……」


 ギャップがスゲェ。

 まぁ、とりあえず、これで自由工作は決まりだ。


 すると、今度はオタク系の陰キャ、小田が挙手。


「ふひひ……では拙者は防犯ポスターを承るでゴザル」


 そう言って、気持ち悪く笑う小田に「むしろ、お前の方が防犯される側だろう」と失礼なことを思いつつ、これで一人決定。

 そうしていくうちに、みんな次々と、自分のやりたいことを決めていく。


「じゃあ、俺は読書感想文にするぜ!」

「はい、山田は読書感想文ね」

「僕は小田くんと同じ、防犯ポスターにするよ」

「田山くんは防犯ポスター」

「じゃあ私は手芸!」

「山谷は手芸……」

「私、習字!」

「谷山さんは習字」

「俺、自由工作!」

「山村は自由工作」

「俺は自由研究!」

「村山は自由研究……」

「おい! 俺は村山じゃなくて、木山だよ!」

「いや、ややこしいな、うちのクラス!」


 なんで山のつく苗字多いんだよ。しかも、なんか似た臭い苗字もあるし。

 ついでに山木もいるし!


 まぁ、そんなこんなで、全員が担当する宿題も決まり、明日から、活動を開始することになった。


 なお、これは余談だが、このクラスの担任教師はどうしたのかと言えば……


「なぁ、俺はどうすればいい? 正直、やることがないんだが……」

「えー……特に、先生がしなきゃならないことはないと思いますし……せっかくだし、休んでいていいんじゃないんですかね?」

「……休む? それは一体、どういう行動なんだ?」

「先生? 大丈夫ですか? って言うか、なに言ってるんですか?」


 見ればこの教師、目の下には濃い熊が出来ており、妙にやつれている。

 後で知った話だが、夏休み中、部活動の顧問の代理だの雑用だのを押し付けられ、ロクに休んでないらしい。

 日本の教育現場の闇が垣間見えた瞬間であった。


「先生、頼みますから寝ててください」

「寝る……?」

「保健委員、今すぐ先生をベッドに連れてくんだ。この人、三大欲求の一つを失いかけてる」


 このままでは残り二つも消えかねないと、強制的に休ませた。




 そんなこともあったが、夏休みの宿題は順調に終わりつつあった。

 荒井の自由工作が完成し、拓尾のポスターも出来上がり、他のみんなも協力して、それぞれの担当する宿題をこなし、夜になれば、花火やら肝試しやらで盛り上がり、延長した夏休みを楽しんだ。


 時折、廊下ですれ違う度、やつれていくお姫様が、虚ろな目で羨まし気にこちらを見ているが、まぁ、それはいいだろう。


 とにかく、宿題も残すは自由研究だけになった頃、事件は起こった。


「大変だ! アサガオが、アサガオが攻めてきた‼」

「お前、何言ってんの!?」


 突如、こんなことを言い出したカズタカにツッコミを入れつつ、窓から様子を伺うとあら不思議。

 眠りの森の美女よろしく、お城がアサガオのツルで覆われ、外には人型のアサガオが徘徊していた。

 なにこの状況!?


「え? ホント、なにこの状況!? なんでアサガオが二足歩行で歩いてんの!?」

「あぁ、これ、王様の仕業よ」


 そう言って、氷川さんが状況を説明し始めた。

 実は最近、アサガオの元気がなく、萎れつつあったらしい。

 それを何とかするため、王様は新しい肥料を使ったのだが……


「肥料と間違えて『魔王城の土』を使っちゃったらしいのよ」

「なにそれ!? そういうこと!?」


 曰く、魔王に敗れた勇者が持って帰ってきた土を間違えて混ぜた結果、アサガオがモンスター化したらしい。

 土持って帰るとか、甲子園か。


「魔王の魔力に充てられ、この城はアサガオの支配下に置かれてしまった! 勇者たちよ! 今こそ、立ち上がり、戦うのじゃ‼」

「帰っていいですか?」


 って言うか、諸悪の権化がなに偉そうにしてんだよ。


 しかし、残念なことに、元の世界に戻るための送還用の魔法陣がある広間が、アサガオたちの手により封鎖されてしまったらしい。


 仕方がない、やるしかない、めんどくさい。

 そう思いながら、クラス一同はしぶしぶ、協力してアサガオの討伐に向かった。


「お主たちには、召喚された際、チート能力が与えられておる。その能力を駆使し、奴らを倒すのじゃ‼」

「ここにきて、ようやく異世界召喚ものらしくなってきたな」

「よし、みんな! 敵は魔物とは言え、ただの植物だ! 蹴散らしてやろうぜ‼」


 王道、異世界召喚もの展開に気分を良くしたカズタカが聖剣を携え、先陣を切る。


 ……数分後、そこには王妃様の厳しい手ほどきに耐え兼ね、逃げだしたお姫様と一緒に、仲良くアサガオに拘束されたカズタカの姿があった。


「た、助けてくれー‼」

「なにやってんの、あいつ?」

「聖剣に選ばれたところで、使いこなさなければ意味がないってことね」


 所詮は平和な現代日本に生まれた高校生。

 それにあいつ、帰宅部だから特に運動とかしてないしね。


「じゃあ、私たちはああならないように、堅実にいくわよ。戦闘能力持ちをタンクとして、支援能力者A班は交代でバフをかけて。支援能力B班は回復の準備。同じくC班はデバフを定期的に。遠距離狙撃持ちは前衛の援護をお願い」

「委員長、僕『料理人』って言うスキルなんだけど、どうすれば……」

「長丁場になりそうだからご飯作ってて頂戴」

「委員長、私『踊り子』なんだけど……」

「応援して士気を上げて」

「委員長、俺はなんか『器用貧乏』ってスキルなんだが」

「無理しない程度に、各班のフォローを」

「委員長、有能すぎでしょ」


 闇雲に特攻していったカズタカを反面教師に、堅実かつ確実な手段で勝ちを取りに行く氷川委員長。

 所謂『ハズレスキル』持ちの生徒にも的確に仕事を割り振り、今、アサガオと人類(と言うかクラス)の存亡を賭けた戦いが幕を開けた。


「討て――‼」


 氷川の号令の下、アサガオたちに遠距離攻撃が雨霰と降り注ぐ。

 ちなみに人質のお姫様とカズタカだが、当然巻き込まれてる。


「委員長、カズタカがなんか叫んでんだけど」

「『俺に構わず討て』かしら? 格好つけちゃって」

「いや、どう見ても泣き叫んでるんだけど、恐怖で」


 しかし、委員長は動じない。

 戦いに犠牲はつきものなのだ。カズタカは犠牲になったのだ。

 その犠牲の甲斐あってか、アサガオの数はみるみる内に減っていった。


 だが、それでも数の優位は変わらない。

 何体かのアサガオはバリケードを乗り越え、タンク持ちの前衛たちと衝突する。


「人間舐めんじゃねぇ! アサガオ風情がぁぁぁぁぁ‼」


 自ら前衛を志願した荒井が、自作の草刈り機『地獲腦災弩ジェノサイド』でアサガオを薙ぎ払っていく。


「うん、あいつ、今回のMVPだわ」

「ふふふ、彼ばかりにいい格好はさせませんぞ!」


 そう言って、同じく前衛の小田がアサガオの花弁を手にしたGペンで搔っ切っていく。


「Gペンをそんな風に使うな」


 仮にも商売道具だろう。お前の。


「うぉぉぉぉぉ! 俺たちも負けられねぇ! 行くぜお前ら!」

『おうッ‼』


 そんな彼らを筆頭に、他の生徒もアサガオ撃破に貢献してく。

 野球部の山田の投げた炎の魔球をサッカー部の田山が蹴り、速度と威力を上げ、さらにそれをテニス部の山里が打つことで、さらに威力を上げ、さらに軌道を読ませないようにビリヤード部の里山が突く!

 その近くでは剣道部の北山とフェンシング部の山北とスポーツチャンバラ部の山南が、各々背中合わせに戦っていた。

 アサガオに囲まれ、徐々に追い詰められつつある彼らの下へ、水泳部の南山が飛び込み、奇襲をかけ、それに続くようにカバディ部の野山と歴史研究会の山野と鉄道研究部会の野々山が、敵を撹乱し、ラグビー部の西山、アメフト部の山西が突破口を開き……


「いや、もう! 誰が誰だか分かんねぇよ! あいつ山西だっけ!? それとも西山!?」


 とにかく戦場は混とんとしていた。

 しかし、軍師・氷川委員長の指揮と各々の奮闘の下、犠牲者も出すことなく、アサガオは徐々に数を減らしていった。


「すいません。俺は?」

「あぁ、いたんだ。無事で良かったね」


 あと、人質二人も救助された。

 カズタカ、頭ちりちりになって、矢とか刺さってたけど。

 お姫様、恐怖で「あー」とか「うー」しか言えなくなってたけど。


 しかし、ここで戦況をひっくり返さんばかりに、敵の総大将が前線へと現れた。

 その風貌は、他の人型アサガオと違い、まるで怪獣のようであった。


「こいつはもう、アサガオなんて可愛いもんじゃねぇ! 魔王のアサガオ――阿殺牙王アサガオだっ‼」


 ……などと荒井が言っていたが、まさにその通りだと思った。

 彼の一撃で、前衛部隊は崩壊。

 クラスメイト達も木の葉のように蹴散らされた。

 必死に遠距離部隊が攻撃を放つも効果がない。


「こうなれば、王城を放棄し、戦線を下げるしかない‼ 総員、退避――ッ!?」

「氷川さん! 危ない!」


 被害を減らそうと、撤退を呼びかける氷川を狙って阿殺牙王が、そのツルを振り下ろす。

 タダクニが庇い、直撃を免れるも、すぐに追撃。


「もうダメだ――ッ‼」


 絶望的な戦力差を前に、誰もが心を折られた。






 ――その時だった。


 何者かが、カズタカの聖剣を奪い取り、阿殺牙王のツルを斬り飛ばしたのは。


「なっ!? あなたは――‼」


 そこにいたのは、今まで過労のあまり戦力外として扱われていた“あの男”



「待たせたな‼」

『先生!』


 そう、担任教師であった。


「これ以上、俺の生徒に手は出させん‼ 八時間睡眠と規則正しい生活の力、見せてやる‼」

「いや、どんだけ回復してんだよ!?」

「変な光線でも浴びたのかしら?」


 明らかに過剰なまでに生命力を漲らせる教師に、若干退くタダクニと氷川。

 そんな二人の無事を確認し、担任教師は聖剣を投げ捨て、人差し指で「素手で来い」と挑発。阿殺牙王と一騎打ちを始めた。


 殴る! 殴られる! 殴る! 殴られる!


 壮絶な殴り合いの末、立っていたのは――






「いや~、流石は勇者様方、よくぞ魔王を倒してくださった」

「それ言えば、何でも許してもらえると思ってんですか?」

「……ごめんなさい」


 翌日、目の前で、正座で座らされる国王を冷ややかな目で見つめ、タダクニたちは帰還の準備を始めていた。

 幸い、死者は出ずけが人も軽傷のみで済んだ。

 結局、夏休み最終日を筋肉痛と治療により、ダラダラ過ごす羽目になったのはいただけないが、まぁ、これもぽいっちゃ、ぽいだろう。


「皆様のご協力により、王家の恥をさらさずに済みました」


 そう言って、頭を下げる王妃様から報酬(迷惑料込)をいただくと、タダクニたちは地球へと帰還した。

 光に包まれる中、王様とお姫様が滾々と説教されていたが、後のことは知らない。


 その後、クラスは新学期を迎えた。

 その間、色々なことがあった。

 タダクニと氷川が恋人になったり、担任がスピード出世して教育現場の改革に乗り出したり、小田の設計の下、荒井の作り上げたロボットが世界征服を企てたり、二股かけたカズタカが刺されたり……

 とにかく、色々なことがあり、季節は冬。

 異世界で過ごした、奇妙な一週間の夏休みのことを思い出しながら、各々、思い思いの日々を過ごしていた。

 そう、美しい青春の一ページとして。





 ……そう思ってた時期もありました。


「よくぞ、参られた勇者たちよ! 申し訳ないが娘の冬休みの宿題を手伝ってくれい!」

「いい加減、学習しろ!」




 登場人物


 タダクニ

 主人公。日直。映画研究部。

 なんだかんだで面倒見のいいオカン気質。ただし、ツッコミはキツい。

 カズタカとは幼なじみで、毎年のように夏休みの宿題を手伝わされていた。


 氷川さん

 ヒロイン。巨乳ポニテメガネ委員長。スリーサイズは96/59/95

 クラスを取りまとめるクールビューティー。タダクニに助けられた末、結ばれる。

 一件守銭奴に見えるが、それは貧しい家計を支えるためだったりする。


 カズタカ

『異世界召喚で勝手に魔王討伐を引き受けるイケメンの人望がなかったら』を地でいく人。

 幼馴染属性がなかったら、引き立て役まっしぐらである。

 案の定、女癖が悪く、二股賭けて刺された。んで担任に説教された。


 担任教師

 32歳・独身

 元々教職希望で、情熱にあふれていたが、過酷な現実とブラックな職場環境に半ば心折れかけていた。しかし、生徒からの人望と規則正しい生活の末、かつての情熱を取り戻した。

 帰還後、教育現場の改革を推し進める一方、裏では蔓延るブラック企業撲滅(物理)を掲げる何故の世直し人・ブラック企業スレイヤーとして活動している。


 荒井と小田

 なんかんだでベストマッチな名コンビ。

 人類支配を企むロボットとの戦いに巻き込まれるが、それはまた別の話。


 お姫様

 全ての元凶。スリーサイズは79/61/82(初登場時)→62/49/63(軟禁時)→60/40/60(説教されまくった結果)→80/75/82(リバウンド)

 グーたら気質なため、しょっちゅう王妃様から怒られる。

 ちなみに王妃様のスリーサイズは97/61/98


 クラスメイトの方々

 なんかめっちゃ山のつく苗字が多い。

 委員長と担任以外、しょっちゅう間違える。

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