第240話 メンバー決定!?

 俺から矜侍さんの話を聞いた今宵は一瞬顔をしかめたが、それよりもメールに記載されていた日程に驚いていた。

 11月23日の金曜日……勤労感謝の日で休日なのだが、そこから三日間がダンジョン内LIVE配信カメラ争奪の日程だと書かれていたのだ。

 

 「5日後……ってさすがに急すぎない? しかも矜侍さんは配信で日程は決まっていると言っていたけど公表してなかったよね? お兄ちゃんメールして日程を変えてもらってよ」


 「いや、他の参加者には通達しているみたいだから、日程の変更は無理だろ!? でも確かに配信内で日程の公表はしてなかったから、まさか10チームがこっそりと戦って結果だけ報告するとか?」


 ””矜侍様ならありえる!!””


 ってまだ三者間の電話は繋がっていたのかよ。

 急にキィちゃんとさっちゃんの声が聞こえてビックリしたよ。


 ”ムム、私のハルちゃんハルバードの活躍のために今宵ちゃん家で緊急会議しなきゃ””


 くぐもった電話からキィちゃんの声が聞こえたかと思うと、ツーツーと電話が切られた音が聞こえた。

 まあ、あいつらはどうせ午後から家に来てたんだろうし、いつも通りな気はする。


 「それよりあと一人はどうする? 俺は父さんが良いと思うんだが?」


 六人まで参加OKであるので、もう一人メンバーがいた方が有利になるだろう。

 実力的にも男手と言う意味でも、あと一人というなら父さんに来てもらえるなら安心だ。


 「えー。お父さんだと絶対に小言を言うだろうからやだなー」


 「じゃあ母さんか?」


 「うーん」


 そう言えば野営の時に、両親がいると遊んでいる感じがしないとか言ってたか?

 そもそも野営だってこいつらはキャンプファイヤーして遊んでいたが訓練だからな?

 だいたい家族旅行なら普通に楽しいんだし……と考えたが、たしかに水戸君と話している会話を両親に聞かれるのは何となく恥ずかしい気がしてきた。

 今宵が言いたいのはこれなのか?


 トゥルルル


 そうこうしていると電話の音が鳴る。

 またキィちゃんたちか? と思ったがどうやら鳴っているのは俺の端末のようだった。


 「はい、もしもし」


 ”配信見たわよぉ。メンバーには私が入ってあげるわぁ」


 「あ、結構です」


 俺は電話口から聞こえた声に、拒否と言うことを伝えるとピッと言う音と共に電話を切った。


 トゥルルル


 まあ、もう一度かかってくるよな。


 「はい、もしもし」


 ”あなたぁ、なんで切るのよぉ! カメラはいらないけどぉ、そのカメラは優勝賞品の一つと言っていたでしょぉ! 矜侍様の商品が私はほしいのよぉ!”


 「いや、桃井先生。そんな物欲に正直になられても困ります。そもそも一線級の探索者が相手ですよ。俺たちが優勝できるわけがないでしょう?」


 ”あなたこそ、何を言っているのよぉ。わざわざアステリズムを参加させたのだから、きっとカメラも他の商品も他の参加者たちに渡したくないのよぉ!”


 いやー、どうだろう。

 矜侍さんが本当に渡したくないなら、こんな争奪戦なんて開催しないと思うんだが?


 「まあ桃井先生なら友達感覚だしいっかー」


 俺が矜持さんの事を考えていると、今宵から桃井先生の参加OKという判断が下った。

 えぇ……、父さんと母さんは大人枠で桃井先生は友人枠なの?

 でもこの先生、結構どや顔で指導してくるぞ?

 指導自体はありがたいんだけどね!

 今宵は俺にちょっと電話を代わってと言うと、桃井先生と話し始めた。


 ”お子様の友達と言われるのは納得ができないけどぉ、私の大人の魅力を見せつけてあげるわぁ”


 「えー、桃井先生の大人の魅力ですか? 髪を靡かせるのはたしかに参考になりますけど、している発言が今宵たちと同じですよね! っとそれよりも午後からダンジョン前に集合だよ」


 ”仕方ないわねぇ”


 今宵はそう言うと電話を切って桃井先生との約束を取り付けた。

 完全に友達感覚ですやん。


 「後は椿にも連絡しないと」


 俺はそう思い端末から電話をかけるが繋がらない。

 今は朝の10時を過ぎたくらいだから、どうやらすでにダンジョンに入っているようだ。

 ふと、静かになった今宵を見ると、なぜか近隣のコスプレ衣装を売っている店を調べていた。


 「てか露出が高いのしかなくないか? 今宵が着るの?」


 「そんなわけないでしょ! 桃井先生と……椿ちゃんの衣装を見てるんだよ」


 なるほど。

 ってことは仮面も必要か。


 「お、この巫女衣装なんて椿にあっているんじゃないか? 椿は大和撫子感があるし、露出も全然ないぞ」


 それお兄ちゃんの好みのコスプレじゃないの? と言う目線を今宵から感じる。


 「いやいや、武器をどうするかはわからないけど、薙刀と言えば日本的な衣装が似合うはずだろ」


 「んー、それはそうかもー? なら着物みたいな感じでいっかー。でも少し作るのが難しそう」


 え? もしかして今宵が衣装を作る気なのか?

 あれか? クラフトスキル。

 万能すぎだな。


 「お、桃井先生にはこのキョンシーなんてどうだ? ちょうど札で顔を隠せるし」


 「似合いそうな衣装を選ぶお兄ちゃんが、普段どういうことを考えているか気になる。でもキョンシーかー。中国……頭をパンダ帽にするとマコトちゃんと被っちゃうんだよね」


 ああ、ちゃんと俺たちのマントと同じで動物に合わせるんだ。

 そうなると椿は何になるのだろう。


 「まあ臨時なんだし、二人は別に動物耳をつけなくても良いんじゃないか?」


 俺がそう言うと、今宵の顔がパァァと笑顔になった。


 「うんうん、臨時だよねっ!」


 まあ桃井先生なんかは、なし崩しで配信に参加してきそうだけどね。


 「それよりも今宵。俺たちの到達階層が25階層だから開始階層ギリギリだぞ。時間もあと5日しかないんじゃ下見をするのもかなり厳しい気がする」


 「もっと大事なことがあるでしょお兄ちゃん。桃井先生だってギリギリでバトルベアに1対1で勝てるくらいなんだから、椿ちゃんが今どのくらいかわかっているの?」


 そう言われると父さんたちとは16階層で訓練をしていたはずだし、まずは椿を25階層にあげる必要があると言うことか。


 いろいろと今宵と話しているうちに、キィちゃんとさっちゃんもやってきた。

 どうやら今宵たちは桃井先生が来る前に、衣装の布を装備屋に買いに行く話をしている。

 俺にも一緒に来るかと聞かれたが、俺は椿のレベル上げや25階層以降を調べるために別行動をすると告げる。


 そして1時間ほど調べ物をしていると、俺からの不在着信があまりにも珍しかったせいなのか電話越しであるのに震える声で椿から連絡が俺へと入る。

 どうやら、オークの納品と昼休憩のためにダンジョンから戻ってきたようだ。


 俺はそこで矜侍さんの配信の話や今現在の椿の状況などを聞いて、午後から桃井先生と一緒にダンジョンに行こうと椿を誘うのだった。






―――――――――――――――――――――――――――――――――――

 以下、本文外。

 作者の近況に起きた話&本文と同等に長いので読む必要は皆無です。

 物語風ですが、ほぼ(登場人物の生ものや神以外)実話。



 う○。「よし、感謝を込めて利益ゼロ(送料と手数料、梱包代だけの値段で訳アリ生ものを出品するか。ただ、生もので訳アリ……。最近は平均気温が高く記録的で、常温に弱い商品だから翌日に届くところの購入を強く強く推奨しますと説明文に書いてっと。……出品!」

 購入者「購入しました! 東○都です」

 う○。「ご購入ありがとうございます。説明文は読まれましたか?(東○都は2日としっかり明記しているんだけど)」

 購入者「はい! しっかりと全て読みました! 置き配にして下さい!」

 う○。「(いや出品側で置き配とかできたらおかしいだろ? 配達場所の指定をできることになるぞ? しかもそれも丁寧に説明して説明文に書いてるぅぅ)すみませんこちらではできません」


 以下幾つかのメッセージを購入者と交わす。


 う○。「(この人、説明文を何にも読んでねぇ。えぇ、マジか?)申し訳ないのですが、この取引をキャンセルしてもよろしいでしょうか?」

 購入者「怒らせちゃった? オコなの? ごめーんね♪ これまで嫌な購入者に出会ってきたんだね。でも大丈夫。私の評価歴を見てよ! 説明文は了承よ。だからキャンセルせずに送ってね チュ♪」

 う○。「(お前がその購入者じゃああああ! こんな此方からキャンセル申請なんて初めてですよ! ここまで私を……。 無言でキャンセル申請ポチィ)」

 


 ヘルプ確認……ふむふむ、24時間で成立もしくは両方の同意が必要か。

 こちらからのキャンセル申請だし、運営から注意をされるかもしれないが……、さすがにここまで説明文も読まれてないとなるとな。

 ただ、もしキャンセルができないなら初めて残念評価をもらうだろうけど発送しよう。


 16時間後


 ”キャンセル申請は却下されました”


 んん? これは事務局か購入者が確実にキャンセルに同意してないと言うことになるが……。

 とりあえず問い合わせで状況を事務局に連絡するか。


 メル○リ「翌日に届く範囲などの記載は出品者の独自のルールです。説明文を読まれてなかろうが発送してください」


 えぇ? マジか―。

 契約が成立してるんだもんな、仕方ないか。

 でもこの購入者は発送後にキャンセル申請してきそうな感じ……。

 さすがに発送後は商品がダメになるから、運営事務局が助けてくれるよね。


 そうして、う○。は超絶丁寧な梱包と、もしもを考えて保冷剤もいれた。

 さらに、念のため取引に使った画像と送る時の状態に劣化がないことを事務局に画像付きで何枚も証拠画像・・・・を……日時がわかる時計も横において送っておこう。

 ついでに購入者にも送ることの説明と到着後は冷蔵の必要性などの注意してほしいことを送信してっと。

 でも、購入者の方はもうずっとメッセージを無視。

 いやな予感しかしないけど、事務局が送れって指示だし従うのみか。


 某ティアマト運輸


 所長ぽい人「お、こんにちは。今日もいつものやつ?」

 う○。「こんにちは。はい。でも今回は初めて残念評価をつけられると思います。こういうことがあって~~。ここでキャンセルされたら生ごみですよ」

 所長ぽい人「さすがにそれはないだろう。事務局だって生ものってわかるし、ここでキャンセルなんてなったらメル○リは信用をなくすよ」

 う○。「ですかね。ですよね! では、発送お願いします!」

 所長ぽい人「はい、1.6キロ。60サイズ段ボールで問題ないね。これ依頼主控えね」

 う○。「はい、お疲れさまでした」


 1時間経過。


 ”メ○カリ運営事務局よりこの取引はキャンセルされました”


 !?!?

 購入者からの申請ではなく、事務局が取引キャンセル? 正気か?

 発送済みは絶対にわかっているのに!?

 事務局が発送しろと言っておいて? 発送前なら問題もなかったのに?

 しかもこちらは何度も確認したぞ!?

 とりあえず、急いでネット検索をして同様の事例を確認しないと!


 「えぇ……。事務局キャンセルの場合は出品者が発送していたら泣き寝入り。商品は相手に届いて相手は返品してこない? いやいや、商品の権利はキャンセルされているのだから返品されないと詐欺じゃん。というか、発送の時点で完全に契約成立してるんじゃないの? こちらへの同意の確認は?」


 それ以降も検索をするが、訴訟などするほうが損であるため、確実に泣き寝入りになるとしか書かれていない。

 商品は相手のものか……。

 うわーん、助けてやまとえもーん!


 運送王ヤマトカスタマー「はい~~です。ふむふむ、なるほど。ご確認しますね。それでは、折り返し担当の者がお電話いたします。お時間は~~」

 

 う○。は、これまでの状況を話しカスタマーの人の同意を得てそれは運送を止めた方が良いですねと言われる。

 そして、折り返し電話があると告げられた。


 運送王○○「もしもし、ヤマト○○の○○です」


 ん!? この声は!?


 う○。「あの、わかります? 今日、話した方ですよね?」

 所長ぽい人「そうですそうです。ファックスの確認と聞いた時にそうかなと思っていたんですよ」

 う○。「時間外なのにすみません。こういうことがあってですね」


 う○。は必死に説明する。


 所長ぽい人「いや、冗談でキャンセルされるかもって言っていたのに本当になるとは。お気持ちわかります。確実に運送はこちらで止めさせていただきます! 少し他の営業所へ連絡したり、ヤマトのメル○リ対応部署への連絡、そのすべてにファックスを送るので一度切ります」

 う○。「はい。よろしくお願いします」


 

 

 所長ぽい人「もしもし○○です」

 う○。「はい。お世話になります」

 所長ぽい人「運送は止められました。商品はどうしますか?」 

 う○。「常温だと発送後に即止めて早くに戻るとしても劣化しますよね」

 所長っぽい人「生ものですから……。とりあえず明日、またいろいろ聞いてみます」

 う○。「はい。よろしくお願いします。今日はありがとうございました」

 所長ぽい人「いえいえ、いつも時間を選んで来てくれるので。もう少し遅くとも本日発送と言ってもらえれば~~」


 神かな? あ、ティアマトだったわ。


 そして翌日。


 メル○リ「事務局から配送会社へ返送の指示をだしました」


 !? 検索では返送されたという事例がなかったのに、今回だけ返品の指示をしたの?

それこっちが動いて、運送を停止させたのを知ったからじゃないの?


 う○。「あの……、生ものです。商品の価値はなくなるのですが、責任はどこにありますか?」

 生もの君「ねぇ、僕はどうなっちゃうの?」

 天下のメ○カリ「あ゛あ゛ん゛?」

 う○。「……」

 水の神アクア「謝って! うし。は今すぐ生もの君とメル○○に謝って!」

 うし。「(廃棄することになるから)ごめん、生もの君。メ○カリ様ごめんなさい!(泣きながら謝り疲れて眠る)」


 

 天城矜侍「おい、ジョブチェンで地球の商品お取り寄せスキルはメ○カリ方式を採用するんじゃなかったのか? 俺のスキルは? お前は友人にもメ○カリを推奨しまくりだったのにな。笑うぜ!」

 うし。「その方式はなくなりました。だって、宣伝しまくることになるから」

 天城矜侍「ならラ○マかヤフ○ク形式だな」



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 世の中は生きづらい!



 


 


 

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