第2話 難しい席順
教室に入り自分の席を探す。
どうやら廊下側の一番後ろ……成績順か。主人公席である窓際の一番後ろとは逆側だなと訳の分からない事を思いながら席に着いた。
しかし成績順なんてイジメ助長のシステムではないだろうか?
1年で一番馬鹿は誰だ? はい、俺でーすってか。
はぁ。
まあこの高校に入れただけでも奇跡ではある。
ダンジョンが日本にできてから30年経つ現在ではあるが、ダンジョン探索の専門家、各種専門大学、国防軍、一流企業の探索部など力や資源の確保を目的とした専門家育成のために作られた教育機関が国に5つある中高大一貫学校であり、ここはその一つである国立第一東高等学校だ。校章は蒼龍のマークでカッコ良い。
他の4つは、国立第一西高等学校(白虎)、国立第一南高等学校(鳳凰)、国立第一北高等学校(玄武)、国立第一中央高等学園(麒麟)であり、この5つは偏差値が79以上(中央学園だけ80)さらに運動能力、潜在能力の審査を受け合否が決まる。
これ以外の探索者学校は高校から第二~第五まであり数字が若い程、難易度が高い高校となっている。
椿は窓際の1番前から2番目。唯一外部入学のクラスである1-5で3番目の入試成績という事になる。
普通にすごい。
元々、中高大一貫校だったこの5つの国立校は、卒業生たちが目覚ましい活躍をしたことなどからPTAが圧力をかけて高校からでも入学ができるようになった。
しかしながら、高校から入学をした場合にはダンジョン探索をしたことがない者も多く含まれるため、内部生と外部生で差が出来てしまう。
教える内容が異なることもあり、現在では外部生は最初の1年時にまとめられて5クラスに配置されることになっている。
ちなみに大学も外部受験が可能であるが、高校での問題を踏まえて探索者資格を持っていることも入試要項となっている。
大学生から知識も特になく似たような職に就きたい場合は国防大学を選ぶ人がほとんどらしい。
椿は既に周りと溶け込み楽しそうに会話している。
2番目に座っているのになぜ3番目の成績かというと、成績順と言っても少しだけ特殊で、窓際から横に1位2位 11位12位 21位22位、その次の列が3位4位 13位14位 23位24位と続き、横に6人、縦に5人の計30人で最後に廊下側右下一番後ろが最下位の俺という訳である。窓際の縦列だけ言えば、1位の後ろに3位。
その後ろに5位、7位、9位って事ね。
ガラガラとドアを横に開ける音が聞こえると、騎士のような格好をした若い男が教室に入ってきた。
「よーし、ホームルームを始めるぞー。席につけー。おい、そこのやつ早く席につけ!」
だらだらと席につかず残っていた一人に今まで気の抜けたような口調の教師が顔を引き締め注意する。
その瞬間に覇気のようなものが教室に広がり誰もが息をのんだ。
トイレに行っておけば良かった。
さすが、この学校の教師という事だろう。正直ビビッて漏らす所だった。
「俺はこの1-5を担任する、
この成績順というのは1-5のクラス順位というわけではないだろう。
1-4までのクラス自体が中学時の成績順である事から当然外部入学とは言え1-5は一番順位が低いクラスという事になる。
「この学校は文武両道、国の将来を担う事のできる人材を育てる所だ。ダンジョンに潜りレベルやスキルを鍛える事も重要だが、勉学も普通の高校のトップレベルと同様の成績を維持するように。校内の試合やイベント、大会の成績で大きな加算があるために総合順位はそれで補う事もできるが、学校の理念である文武両道を忘れずに頑張ってほしい」
文武両道と言いながら大会などの成績で抜け道がある事を教えてくれてはいるが、結局その大会の成績も1-1クラス含む全クラスで勝負するわけでそちらの加算を狙うのは難度が学業より高そうに思う。
「それでは学生証、探索者証、個人証明など各種がつまった端末を配布するので名前を呼ばれたらとりに来るように」
クラス最後に名前が呼ばれ端末を貰い席につく。
スマホのような端末を手にし心が躍る。
最近ではタブレットを配布する高校もあると言うが、最先端の国立であればこれも当然なのかもしれない。
「よーし、行き渡ったな。まあ説明書を読めばわかるんだが一応ここで少しだけ説明しておく。電源を入れたら画面をタッチしてロックをはずして生体認証をタップしろ~。そしたらそこに赤い丸が出ていると思うがそれをタッチして自分の生体認証登録を確認しておけ。ランク以外は自分のステータスボードと同じなら問題なしだ」
言われた通り操作していると周りから「ステータスオープン」という言葉が何処かしこから聞こえる。
端末とステータスを見比べているのだろう。
<名前>:
<job>:なし
<ランク>:E
<ステータス>
LV : 1
力 :F
魔力 :F
耐久 :G
敏捷 :F
知力 :E
運 :G
魔法 :なし
スキル:※※
小6の時から変わらぬ目も当てられないステータスが表示されている。
最低単位のGを筆頭に低い数値が並ぶ。
ランク表示は探索者協会(通称ギルド)評価のランクであり、ステータスには表示されない。
ギルドで出されている依頼を達成したり貢献値を上げれば上がる。
依頼にはそれぞれ難度によってランクがあり、基本的には同ランク以下のクエストしか受けられない。
基本的にはというのはランクより上の敵とたまたま遭遇して倒し、素材を回収して
一時はこの抜け道を狙ってランクが上がる前に上の依頼を勝手に達成してギルドに持ち帰り、自分より上のランクのクエストをする探索者も多かったそうだが、実力が伴わないものは結局、大けがを負ったり死亡する事でそういう行為は減っていった。
ギルドのランクはクエストの達成率や早さ、正確さを査定して上がって行くためにランクと実力はおおむね釣り合っていると言われている。
「先生! ランクが探索者証と違う場合はどうしたら良いですか?」
画面を見ていると、女生徒から質問が先生に飛んでいる。
「僕もです」という声も聞こえた。
アイツはこのクラス1位の奴か。
「あー、そうだった、ランクはこの高校に入った時点で探索者協会で初めて登録する場合の2ランクUPの特典がついているんだが、探索者自体は中1からなれるからそれ以上にUPしてる場合もあったな。その場合は探索者協会で探索者カードを提示してまとめてもらえば今後はどちらでも一番上の評価のやつが表示される事になる。次行った時に更新しとけー」
その後、いくつかの連絡事項がありホームルームは終了した。
次の登校日は土日を挟んで月曜日からになる。
―――――――――
本文外、席順に縦列の説明の話を追加。席順が難しい所に漢字が多い気がしたので、用字でひらがなに直せる所は変更しました。
席次順を下記に記載しました。機種によって見え方がズレる場合があります。
(画面の大きさの問題です)
前方出入り口
1位 2位 11位 12位 21位 22位
3位 4位 13位 14位 23位 24位
5位 6位
7位 8位
9位 10位 29位 30位
後方出入り口
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