152 エホル


 

 シンの予想した2時間より早く、全ての食べ物が売り切れてしまう。オスオは混乱を避けるため、売り切れる前に客の人数と注文数をコントロールするよう少年達に伝えており、フォワを筆頭として、みんなはその期待に応えようと頑張っていた。


「俺は塩を三つと、砂糖を四つ」

「私は塩を五つと砂糖も五つ」

「塩を三つと砂糖三つ、それにあの炒め物もくれ」


「ちょ、ちょっと待つっぺぇ。いっぺんに言うでねぇっペぇ。一人ずつ頼むっペぇ」

 

「俺は!」

「私は!」

「塩を!」


「だ、だから、一人ずつっぺぇー」


「フォワフォワフォワ!」

「そこの三人っぺぇ!」


「フォワフォワフォワフォワフォワフォワ!」

「言う事聞かねぇから、塩を一つずつだって言ってるっペぇ」


「えーーー!?」

「うそぉ!?」

「まじかよ!? 勘弁してくれー。長い時間並んでいるのに~」


 謎めいた石像の上に立ち、鬼軍曹のように命令するフォワの声を聞いた客たちは、素直に従うようになる。

 そして、ついに最後の客の順番がやってくる。

         

「どうもだの」


「ははは、あれだけの人の中俺が最後って、ちょっと自分の運の良さに感動してる。おいちゃん、塩を三つ」


「はいの。もう用意してたでの、これをどうぞだの。ありがとうの」


「あつあつ」


 イモテンを受け取った客は、さっそく噛り付く。


「カリカリサクパリ」


「うーー、美味い! 真似された偽物とは全然違う! 本物を食べれるなんて嬉しい!」


 最後の客が喜びの声を上げた瞬間、イドエの者たちにほっとした空気が漂った。


「終わったっペぇー」

「クルクル、疲れたよー」

「クル頑張ったねぇ~」

「ほんとだよ、よく頑張ったね」

「チラシも沢山配ったっぺぇーよ」


「フォワフォワフォワフォワフォワフォワ!」

「イドエに帰るまで油断するなって言ってるっぺぇ! あ、もう訳さなくてもいいっぺぇね。喚きすぎて喉が痛いっペぇ~」


 イモテンよりも先に売り切れていた他のキッチンカーを片付けていた者たちも、最後の客を見送ると安堵の表情を浮かべる。

 そんな中、オスオの元にある人物が現れる。


「お忙しいところを恐縮です。あなたがオスオ・モリスさんでしょうか?」

「そうだの。あなたは商工ギルドの方かの?」

「はい。初めまして、私はセッティモ商工ギルド、サブマスターのラアン・ワストです」


 サブマスター…… 

 そんなえらいさんが、自らわしみたいな者のところに訪ねてくるとはの…… 商工ギルドの者が来る事はシン君から聞いておったがの、まさかサブマスターの一人がくるとは思ってなかったの。


 セッティモを前回訪れた際、シャリィは露店の許可を得るために商工ギルドに出向いた。その時、ギルドのサブマスターの一人であるラアン・ワストが挨拶に来た。それ以来、シャリィはラアンとゼスを介して連絡を取り合っていたのだ。


 それにしても先ほどまでの客数は…… 私の予想以上の反響だ。これなら、自ら赴いて、絆を確固たるものにするに相応しいだろう。ヘルゴンとのきな臭い話は既に耳に入っているが、いざとなればレシピと許可だけでも…… 全ての協力は先行投資なのだ。


「明日の事はご心配なく。事前に知らされている食材を、この後直ぐにでも私が責任を持って宿にお届けいたします」


「それは助かるでの。宜しく頼みますでの」


「それでは」


 オスオは去ってゆくワストの姿を見送りつつ、しみじみと考えに耽っていた。


 今の・・時点での、名乗って支援を申し出てくれるなんての。確実に…… 紛れもなくその成果がしっかりと形になってきておるの。

例えイドエであろうともの、利益をもたらす物があれば、あんなえらいさんがの……


 オスオは自然と口元がほころぶのを感じていた。



 片付けが終わろうとする頃、一人でチラシを配りに行っていたシンが戻ってくる。


「おー、もう売り切れたの?」


「あっ! シンが戻って来たっぺぇ」

「おらたちはやり遂げたっペぇーよ。シンはどうっぺぇ?」


「あぁ、俺も配り終えたよ」


「うえっ! 一人でまたあんな量を配ったっぺぇかぁ?」 

「やるっぺぇね!」


「またたまたまだよ。片付け、俺も手伝うよ」


 キッチンカーの片付けを終えたオスオ達は、シャリィとユウ、そして少年少女達と共に宿泊施設へと戻っていく。

 この時、町中を観光したいと騒ぐ少年たちを納得させるのには苦労したが、驚いたことにフォワがすぐに従い、他の少年たちを説得したのであった。


 シャリィがユウやオスオ達の警護で離れた後も、建物の中はカンスとヘルが引き続き警護をしており、外はゼスが見張っている。

 シンは片付けを手伝った後、再びオトリとなるべく、一人でチラシを配りに行った。


 シャリィの方にも異常は無い。これだけ一人であちこち歩き回っているのに、何も起こらないし、監視されている気もしない。だけど…… それが逆に薄気味悪い。ロルガレあいつのように……




 オスオ達が宿泊施設に到着するや否や、商工ギルドから食材が届く。


「おー、これはりっぱな芋だの~。色も良くての、甘そうだの」

「本当だね~。こっちの野菜も採れたてだね。天ぷらにしたら最高だよ! いいのを持って来てくれたね」

「川魚は明日の朝一番に届ける言うてたからの」

「今日でもええのにの。気を使って朝に新鮮なのを持って来てくれるんだの」


 ……この気遣いからの、商工ギルドがどれだけ真剣に友好関係、いやの、利害関係を築こうとしているかが伝わってくるの。

 川魚を朝持って来るとかの、些細なことにも注意を払う姿勢からの、本気度が分かるというもんだの……


 オスオはそう考えていた。 


「ではの、さっそく明日の仕込みをするでの。それが終われば休もうの」


「はいよー」

「了解だの!」

「かーちゃん、一緒に仕込みしよう!」

「邪魔くさいんだよ! 一人で芋でも洗ってな!」


「あははは」

「ふははは」 


 売上が好調で、全員の気持ちは晴れやかであった。

 少年達を覗いて……


「フォワ!」


「フォワ?」


「どうして止めたっぺぇ! みんなでもっと駄々こねれば、観光できたかもしれないっぺぇ!」 

「そうだっぺ!」

「フォワたちは前に一度来てるからいいぺぇ! オラたちは、初めて来たっペぇ!」

「そうだっぺぇあー」

「せっかく来たっぺぇから、観光したいっぺぇ!」

「チラシ配って客の管理して、やる事やったっペぇから、今からでも行くっペぇーよ!」


 文句を言う少年達を前にして、珍しくフォワが真剣な面持ちをしている。


「フォワフォワフォワ……」


「え……」


「フォワフォワフォワフォワ…… フォワフォワ…… フォワフォワフォワ」


「そ…… そうだったぺぇか…… わがまま言ってごめんっぺぇ」

「知らなかったっぺぇ……」

「おらたち、調子こいてたっぺぇ……」

「申し訳ないっぺぇ……」


 フォワのその言葉を、ユウも少女達と一緒に聞いていた。


「フォワ君なんて言ったのかな?」


「……たぶん、ジュリちゃんの事っぺぇ」


「ジュリちゃん?」


 ……そうだ。ジュリちゃんは何か理由があってここに来ていない。

 フォワ君は来れなかったジュリちゃんを思って、それで遊びには行かないって言っているんだ……


 セッティモに行くのを自ら諦めたジュリが、シンにすがって泣いていたあの時、馬小屋の外から聞き耳を立てていたフォワも、一緒に涙を流していた。


 フォワ君…… 僕よりもずっと年下なのに……


 ユウは深い敬意を抱いて、フォワを見つめていた。




 時刻は18時。シンはチラシの配布を終え、アルスたちの様子を確認してから、宿泊施設へと戻ってきた。


「ご苦労様です、ソフォーさん」


「ぜんぜん! だい! じょう! ぶ! です!」


 門の横で直立不動で立っているソフォーに挨拶をしたシンは、庭で明日の準備をしているオスオたちと会話を交わした後、建物に入って行く。

 すると、1階のロビーの様な場所で、ユウとシャリィが既に待っていた。


「おかえり」


「ただいま」


「チラシは全部配ったの?」


「全部配れたよ」


 芋天などを売っていた場所では、待っている人々は退屈しのぎに受け取ってくれたけれど、通りを歩いている人たちはなかなか受け取ってくれなかった。それなのにあんな沢山のチラシを…… 流石。


「みんなには出掛けて来るって伝えてあるからね」

「伝えてくれたの? いじけたりしてなかった?」

「ううん、全然」

「そっかぁ」


 フォワ君の言葉がきっかけで、みんながしっかりしたというか…… 本当に優しくて素晴らしい人たちだ。

 勿論、ナナちゃん達も……


「じゃあ、少し早いけど行ってみるか?」

「うん! 行こう!」


 二人が庭に出ると、シャリィがその後を付いてくる。


「ソフォーさん、少し出かけて来るから、後をお願いします」


「おまか! せ! くだ! さい!」


 アルスさんたちの方は、知り合ったばかりのあのカンスとヘル二人だけなら心配な面もある。つまり、ゼスもう一人はあっちを警護しているはずだ……

 それなのに、俺たち二人にシャリィが同行するとなると、この場所の警護はソフォー一人だ。シャリィはその事態を承知の上で、俺たちが演劇を見に行くことを許した。それは、このままヘルゴンが動かないことを確信しているからか、あるいはソフォーを信頼しているからか。その理由は定かではないが、何となく後者のような気がする。

 

 シンの感じた通り、シャリィはソフォーの実力を見抜き、彼を信頼していた。だが、この後、ソフォーと同等、いや、それ以上の者が現れる。闇と共に……


 演劇を見に行く途中、ユウはシンに問いかける。


「シン!」

「どうした?」

「シャリィさんに聞いたけど、カンス君と仲間の人を警護に雇ったの?」

「あぁ、今あの建物の中にいるよ」

「じゃあ、後で合流する感じなの?」

「うん。終わったらみんなと一緒に宿に来るように伝えてあるよ」

「やったー! 色々話を聞いてみたかったんだよー」

「ふふ、ほどほどにな」


 何事もなく歩き続けると、やがてあの大きなテントが見えてきた。


「もしかしてあれ!?」

「そうだよ」

「うわー、サーカスみたい」

「だよな? 俺も同じこと思ったよ」


 入口に近づいたとき、シンが渡したポスターが目に入る。


「あっ! あのポスターは……」

「あぁ、俺の持ってたやつだよ」


 え? いわばライバルなのに、僕達のポスターを貼ってくれてるの?


 ユウはこの時、それもシンのコミュ力によるものだと思っていた。


 入り口には昼間と同じ様に、冒険者と思われる者が立っており、そのうちの一人がシンを見て声を上げる。


「おー、にぃちゃん!」


「あ…… パリンさん?」


 え? シンの知り合いなの? あの人のかっこう…… どう見ても冒険者だよね?


「よぅ! シン・ウースってにぃちゃんの事だよな? ナァハハハ」

「あぁ、そうだよ」

「フィーラさんからうかがっている。ささぁ、入ってくれ。あれ? 二席って聞いてたけど?」


「あ、一人は……」


 シンがパリンに説明しようとした時、シャリィが一人でテントの中に入って行った。


「あれ? ツレが一人で入って行ったぞ?」


 あの女、どこかで見たことあるような……


「ちょっと待っててもいいかな?」


「お、おぅ……」


 うーん、誰ったっけな?


 シャリィを待つ間、三人で立ち話をしているシン達を見ている者がいた。


 あいつ…… 演劇を見に来たのか?


 それは、家族と共に演劇を見に来たドロゲンだった。彼は以前、ヘイワース劇団の演劇を見に来ようとしていたが、緊急事態によりアルスに止められた経緯があった。そして、あれからやっとこの日を迎え、演劇を楽しみにきていたのだ。



 パリンがシンに穏やかな声で話しかける。 


「昼間ににぃちゃんがこのテントから出て来た時、俺が声をかけただろ?」


「え、そうなの? 気づいて無かった。ごめんよ」


「いやいやいやいや、良いんだよ。俺がにぃちゃんに声をかけてたのを、フィーラさんが見てて、シン・ウース君の知り合いかね? って聞かれて、それで一応って答えたら即雇ってくれたんだよ!」


「そうだったんだ」


「いや~、本当ににぃちゃん様様だぁー。おかげでエホル・・・の依頼を受けれたんだ」


「エホル?」


「ギルドの掲示板に貼られていた依頼書よ。俺が取っていくの見てただろ?」


「あ~……」


「ん? 知らなかったのか。エホルっていうのは…… そうだな、今回の例で説明すると、この劇団の護衛は最初、3カ月の依頼だったんだ。でも、まだ1カ月契約が残っているのに二人飛びやがったんだよ」


 急に辞めたのか……


「恐らくよほど高条件の裏仕事でも見つけたのかもしれないが、ペナルティ食らうのによくやるよな~。まぁ理由はともかく、それはギルドの信用に関わるだろ?」


 なるほど……


「だからギルドは、儲けを度外視してでも信用できる奴に依頼を引き継がせるんだ。あの依頼書、つまりエホルは特別だから報酬は依頼側が出すんじゃなくて、ギルドとの交渉次第ってわけなんだよ」


 そういう事か。もう一枚も、あの後直ぐに取りに来た奴がいたからな……


「因みに、俺の後に来た奴は雇ってもらえなかったけどな~」


 あいつ落ちたのかよ!? そういえば、イヒヒヒって笑ってて、少し変だったような……


「あと数人追加で依頼を出したみたいけど、エホルで雇ってっもらえたのは今の所俺だけだ。ここだけの話だけど、フィーラさんはなかなか神経質でよ」


 追加…… たぶん、俺のせいで状況が変わったから。


「だからにぃちゃんのお陰さ、俺が雇ってもらえたのは。ありがとうよ」


「はは、別に礼を言われるほどじゃないよ。けどまぁ、良かったね」


 シンがそう答えた時、シャリィがテントの中から外に出て来た。


「入って良い」


 つまり、中は安全だってことね……


「よし、入ろう」


 ユウにそう声をかけたその瞬間! シンは何か悪寒の様なものを背中に感じる。


「あ、あれ?」


 ユウに目を向けると、憮然とした様子でふてくされていた。


「あの~、ユウ?」


「……ふーん。つまり、一人で冒険者ギルドに行ってたんだ……」


 あ!? やばい……


「あーの~、まぁー、そうだけど、べ、別に、わざとじゃなくて、その~、仕方なしというか…… ユウに悪いと思ってたんだよ」 


「真面目にチラシを配っていると思っていたのに、一人で行ってたんだ、冒険者ギルドに。僕だって、行きたかったのに……」


「いや~、ごめん。ほんと申し訳ない」


 あちゃ~、まずいこと言っちゃったみたいだな。恩義のあるにぃちゃんを困らしてるわ……


「そうだ! 帰りに寄って行こう、冒険者ギルドに! なっ、ユウ」


「……帰りに?」


「そうだよ! パリンさん、冒険者ギルドは遅くまで開いてるかな?」


「おっ? お、おうー、勿論開いてるぞ! むしろセッティモ支部はずっと開いているし、夜担当の受付嬢は、美人でおまけに巨乳がいるぞ!」


「おっ、マジで!? 巨乳だってユウ!」


「……」


 だ、駄目か、反応がない。

 だ、駄目だ、反応がない。


 シンとパリンは、同じことを思っていた。


「パリンさん、ほっ、他に夜特有の何かないかな~?」


「あー、他に~、そう~だな~、あー、冒険者も夜の方が変わり者で、面白い奴が沢山いるぞ~」


「……そうなの?」


 食いついたぁ!

 食って来たぁ!


 シンとパリンは、また同じ事を思っていた。


「あ~、そうなんだ~。夜行くとそんな変わり者が~いるんだね~。本当かいパリンさん?」


「あー、本当だとも。おかしな変わり者がいっぱいいるぞぉ! 装備のセンスも、持っている武器も変なのばっかりだ!」


「ふーん…… じゃあ、演劇見た帰りに寄っていこうかな……」


 ユウはボソッと、呟くようにそう口にした。


「あー、行こう行こう! 絶対行こうな、ユウ!」


「そうそう、寄って行け寄って行け! 楽しいぞ、夜の冒険者ギルドは~」


 知らんけど……


「うん、分かった! 楽しみだね!」


 ホッ、良かった。機嫌が直ったみたいだ。

 ホッ、良かった。恩義あるにぃちゃんがこれ以上責められなくて……


 シンとパリンは、同じ様な事を思っていた。


「よし、入るか?」


「うん!」


「席に案内するよ」


 シャリィをその場に残して、二人はパリンの案内でテントの中に入って行く。



 その頃、宿泊施設では……


「これ美味いっペぇ~」


「フォワ~、フォワフォワフォワ~」


 オスオたち大人が庭で明日の準備に追われている間、少年たちは宿にあった酒を偶然見つけて、こっそりと楽しんでいた。彼らは酒樽を部屋に運び、次々とグラスを満たしていく。


「ガラスのコップっぺぇ!」

「これで飲む酒は格別っぺぇ」

「お土産にするペぇ」 


 シンごめんっぺぇ。止められなかったっぺぇ。


 ピカワンは申し訳なく思っていた。


「ピカワン! 飲めっぺ!」 

「あははは、フォワが脱ぎだしたっペぇ~」

「汚いケツっぺぇ~」

「あー! なにここでうんこしようとしてるっぺぇ! トイレいけっペぇ!」

「フォワフォワフォワ!」

「ここでするとか、ふざけるでねぇっぺぇ!」 

 

 その時、オスオが突然部屋に入って来る。


「お前たち、何勝手に酒を飲んどるんだの?」


 やべぇ、見つかったっぺぇ。

 

 その時少年たちは、勝手に酒を飲んでいたことがバレて怒られると覚悟していたが、オスオは彼らの行動の裏にある気遣いを既に知っていた。ジュリに気を使い、外出を控えている少年たちの姿に、オスオは心の中で微笑んでいたのだ。


「明日もあるでの、ほどほどにの」

 

 オスオは静かにそう言うと、穏やかな表情を浮かべながらドアをそっと閉めた。


「……フォワフォワフォワフォワー!」

「オスオさんのお墨付きが出たって言ってるっぺぇ~」

「なーに訳してるっぺぇ、おらたちには必要ないっペぇー」

「やったっぺぇ~、もっと酒を出すっぺぇ!」

「これで遠慮する必要はないっぺぇ。飲むっペぇ、飲むっペぇーよ」

「フォワ! 裸で踊れっペぇ~」


 その声が聞こえてきて、オスオは少し後悔をしていた。

 

 しまったの。もう調子に乗っている声が聞こえるでの。

 もしかするとの、わしがシン君に怒られるかもの……


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