第24話

「うーむ…。」

「ハッ、ハァハァ……。」


エルを旅路に加えたことで進行速度が一気に低下した。

別に急ぐ旅ではないが、何もないところで時間を食うのは趣味ではない。


3人に増えたことと、ダンジョンのボスでBPが手に入るのはわかった。

なら、BPを渋る必要性は柔ないだな。


伸縮自在軽量スニーカー(50BP)

魔力エアジェットトライク(6000BP)

魔力エアジェットトライク専用コンテナ(1000BP)

魔力エアジェットバイク専用ツナギ(500BP)×2

馬鹿から始めるシリーズ賢者編(100BP)


「エル、これに履き替えろ。」

「こ、こんな上等な靴を…。」


伸縮自在軽量スニーカー

未来素材で作られたスニーカーで、耐久性に優れ成長期の子供にも安心して使える一品。


「御主人様、これはいったい?」


魔力エアジェットトライク

とある古代文明から出土した魔力を推進力にして走行する三輪車。

補助としてタイヤは付いているものの、基本設計はホバーモードを使用する。

専用コンテナは、長方体で見た目は棺。

補助としてタイヤが付いているが、連結したエアジェットトライクから魔力を得て同様の操作を可能とする。

魔力エアジェットバイク専用ツナギ

特殊合成革と特殊金属によって作られている。

フードが付いており、視界部分は透明素材を使用し、空気圧を受けると硬化してフードのズレを防止する。

転倒時は特殊金属が頭部から脛椎、脊椎、腰椎を保護するため拡張と硬化、固定を行い、関節を金属が保護し、全身を特殊合成革が硬質化して地面を滑る事でダメージを最小限にする。


「少し狭いが、エイダはエルに。」

「御主人様、私もこれが欲しいです。」


トライクは勿論2人乗りが可能で、エイダはそれを形状から見抜いていた。

結局、俺用に黒いツナギ、エイダ用に赤いツナギを購入したのだった。


「と言うわけで、こいつに乗っているときお前はこの箱の中で暇を潰すことになる。それようにこれを与える。」


馬鹿から始めるシリーズ賢者編

人気学習本で賢者編は数学全般となる。

ノートとペンはセットに入っている。


「まずは算数から勉強しろ。計算はどこにいっても必要になるからな。」

「勉強……なんて、しても良いのですか?」

「ああ、たまに確認するから寝てるなよ。」

「は、はいっ!」


とりあえずこんなものか…買い始めると次から次へと欲しくなるのは人の性だな。


トライクは前輪が2輪、後輪に太めのタイヤが1輪付いている。

コンテナとのジョイント部はシングルストップではなく、ダブルストップ仕様でサイドサスペンションで急ハンドルを切ったときにコンテナの橫滑りを抑制する。

これはホバー状態でも同様で姿勢制御機構により急ハンドルによるコンテナ内の破損をふせぐものだ。


「今日は慣らすために1日走る。準備してくれ。」


コンテナの自動アクセス機能をスマホと連動させ、換気や内部の光量を調節する。

エルが中には入ってうつ伏せになる。

胸と地面の間に外套を丸めて枕のように使った。

大人だったらぎりぎり寝返りが打てるぐらいだが、エルのような子供なら比較的余裕だろう。

それを確認して外からロックをかける。


「エル、テストだ。聞こえるか?」

「!」

「エル?」

「は、はい!聞こえます!」


スマホとのリンクは問題ない。

それをハンドルの付け根にマウントさせ俺達もトライクに跨がった。

最初はタイヤで走行した。

操作感は普通のバイクよりも安定している。

問題があるとすれば、道が凹凸がありすぎて震動があるのと、メーターが見にくいくらいだ。


「これは駄目だな…。」


あまり揺れるとエルがコンテナ内で粗相してしまうだろう。

早々にホバーモードにすると前輪は今よりも左右にスライド、後輪は縦から橫に向きを変えた。

基本的にホバーポジションはトライクが安全な高さを勝手に調整するが、それ以上に高さを出すためには左ハンドルのスロットルを握る必要がある。


体感40キロくらいか。

今日はこんなものだろう。


魔力を使って走っている筈なのに特に疲労感はなかった。


「2人とも乗り心地はどうだった。」

「至福の時間でした。」

「揺れたのは辛かったけど、途中からはそれもなくなってよかったです。」

「わかった。明日からは半日これで進み、昼からは歩いて移動する。」


魔力エアジェットトライクの注意点

発進、停車時はタイヤを設置させる必要があります。

ジェット機能はコンテナを使用している場合は使用できません。

オートマチック使用時はジェット機能は使用できません。

………。


「あった、あった。メーターのが面設定について…。意味がわからない表示よりもアナログでもいいから、デジタルがあるならデジタルメーターだな。」


食事ができるまで取扱説明書と化したスマホを片手にトライクをいじり回していた。


トール

【魔術】ショット(一式・通常型(一番)・二番【三連】・三番【波紋】・四番【臨界】、二式・近接型(一番)・二番【波動】)

【神具】神酒、知識の書、制約の剣

【道具】ディメンションバック(4話)、スマホ(4話)、清水の水袋(6話)、輝きの石(6話)、BPベーシックカタログ(13話)、魔力エアジェットトライク(24話)、魔力エアジェットトライク専用コンテナ(24話)、魔力エアジェット専用ツナギ(24話)

【重要】森の胡桃(5話)、大鬼の涙(21話)

【称号】森の友(5話)、鬼殺し(21話)

【BP】1440-8150=6250

(東果ての森→ルミット→シラク→ダンジョン『小鬼の巣窟』)


エイダ

【魔法】火魔法(レベル3)ファイアショット

【技能】弓術(レベル5)、蹴り(レベル8)(15話)、採取(レベル5)(16話)、清掃(レベル6)(16話)、房中(レベル6)(16話)、怪力(レベル8)(16話)、高速再生(レベル3)(20話)

【道具】短弓、矢筒、短剣、黒のチョーカー(12話)、魔力エアジェット専用ツナギ(24話)

【重要】隠者の誓い(12話)

【称号】忠誠を捧げしもの(12話)


エル(エリッサ)

【技能】運搬(レベル3)、サバイバル(レベル3)、陽動(レベル1)

【道具】左眼『眼石(原石)』(22話)、右腕『悪魔の腕』(22話)、右腎臓『人工臓器』(22話)、上行結腸『魔力貯蔵庫』(22話)、伸縮自在軽量スニーカー(24話)、馬鹿から始めるシリーズ賢者編(24話)

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