第318話 華辻 3
「めちゃくちゃ旨いっ!」
「だろっ?」
「当たり前じゃないか。ボクがおかしなものを
少し得意げに紡がれる
「あんなこと言って。食べてもいないのに、旨いかどうかなんてわかるのか?」
そんな
ドカンと豪快に同じ料理が積み上げられた大皿とは違い、様々な料理が少しずつ乗せられている。
「ちゃんと、味見してた。全部」
「全部って・・・。嘘だろ? 通ってきた店全部か?」
食べ物以外の店も多いとはいえ、ここにくるまですでに数十軒ほどの前を過ぎてきたのだ。
信じがたいことに、全く抜け目のない
その中からとりわけて良い物(恐らく
紙で挟んだ揚げ餅を海神に手渡す
こんがりしっかり焼け目の入った骨付きのソーセージは、歯を立てた途端、パリッと皮を弾けさせ、熱々の肉汁をジュワリと滴らせる。
同じようにソーセージにかぶりついた
4人とも、あふれ出す濃厚な肉の旨味に無言でむしゃぶりつく。
「こうしてると、まるで旅行にでも来たみたいだ。なっ」
あっという間にソーセージを平らげ、指についた旨い油をチュッと小さな音を立ててなめとってしまうと、
「安全とはとても言い切れない場所にいるっていうのは、なんとも言えないとこなんだけどさ」
「いや。俺もすごい楽しい」
賑やかに進む一行が、卓の上に並んだたくさんの料理のほとんどを平らげてしまうころになると、枝分かれしていた細い水路は再び黒々とした大きな流れへと合流し始めた。
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