第313話 水路 2
「お楽しみのところ邪魔をしたかな。ボクの思い違いでなければ、君達はあいつの腹の中を見に行きたいと思うほどには、奴に興味は持っていないんじゃないかと思ったんだけど?」
その言葉の意味を理解した瞬間、
つまり、4人とも危うく今の生き物の手ごろなおやつになってしまうところだったというわけだ。
「ありがとう」
「助かったよ」
2人が素直に礼を伝えている横で、
「
顔色を紙のように白くした
「ごめん。もっと早く追い払ってやればよかったのに」
ようやく体勢を整えた
「
零れ落ちるように紡がれたその名に、
「
「ああ。さっきあのでかい奴の中に囚われているのが見えたんだ」
「そんな・・・あれは母さんだった」
「俺には・・・
三者三様の答えが飛び出す中、
ただでさえ不安に思っているだろうに、当の本人がこんな場所でにわかに水の中に浮いているのを見てしまえば、錯乱してしまうのも悪いことを考えて気が気でなくなるのも全く無理のないことだった。
「ここには先ほど外店で使っていた捨目魚をはじめ、さまざまな生き物が溢れております。あまり身を乗り出されますな。やつらは船には手を出さないが、そこから出た者に容赦はありませんから。」
「そういうことは、できればもう少し早く教えておいてもらえたら有難かったな」
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