第306話 外店 9
黒々と光り輝く
「やつの掛け金をそいつの中から、彼らに支払っておいてくれ。」
「心得ております。」
小男の恭しい返事に満足げにうなずくと、
ささやかなその声を耳に受けた直後、巨大な懇は目を見張り、突然その場に跪こうとした。
柔らかな毛で覆われた巨体を
だが、
その場に跪くことを許されず困惑している懇に、
「冗談。そういうのは無しだ。ボクは望んでいないよ。・・・それにしても、
決まり悪そうに頭を傾け、グローブをはめたままの前足で耳の辺りをかいている。
「なぁ。あいつに何を言ったんだ?」
さも大事そうに
だが例のごとく、この
「一体何のこと?」と言わんばかりの表情で片方の眉をキュッと上げた。
そんなやり取りにもすっかり馴染んでしまった
「
思いがけず飛び込んできた
「驚いた。
「・・・大したことじゃないよ。もし支払いの約束が果たされない様なことがあれば、遠慮しないでボクのところにおいでと、そう伝えただけだ。」
「?」
それまで黙っていた
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