第305話 外店 8
大男の言葉に、
これには
この大男、許しがたい乱暴者ではあるが、その憐れな泣き言には一理あるような気がしてならないのだ。
「そうだった?まぁ、そう難しいことを言うなよ。いずれにせよ
そう言って
奴が何を言いたいのかなんて火を見るより明らかだ。
なんといっても、幼い
もはや吹き飛ばされた痛みすら凍り付いてしまったのだろう。
厳めしい顎を小刻みに震わせながら、吸い込んだ息をごくりと飲み込み、大男は ガックリと項垂れる。
転がっていた青年妖鬼を無言で肩に担ぎ、乱暴に扉を蹴り開けると、大男はそのまま出て行ってしまった。
「つまらない男だ。もう少しばかり何か壊したって大して変わらないんだ。せっかくだからもうひと暴れしてから出ていけばよかったのに。」
他人事のように言っているが、本当に暴れたのが誰だったかなんてことは、言うまでもなく分かり切っている。
犯人は間違いなく、目の前でこのうえなく幸せそうに
「ところでさ、角なんて取っちゃって、大丈夫だったのかな?かなり動揺してたみたいだけど。」
「ああ、これ?大丈夫。生きていくのに支障はないよ。」
「生きていくのに?」
含みのある
「それじゃぁ、一体何の支障があるのさ。」
「ん?剛鬼は角を壊されると、子を成すための機能が役立たずになるんだ。大丈夫。命には全くかかわらない。」
「・・・・・・。」
「おい。そんな顔はやめろ。20年もあれば差しさわりがない程度には生えてくるんだから。」
彼らだって年ごろなんだから、それが一体なにを意味しているかくらいのことはわかる。
いまいちピンと来ていない
「磨いて
「まぁ、ボクには一切必要ないけれどね。むしろ分けてあげたいくらいだ。」
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