第304話 外店 7
「やりすぎだ。」
「そう?」
店の奥まで吹き飛び、壁に叩きつけられて意識を失った大男を見ながら、
だが、当の
「そうだ。忘れるところだった。」
何かを思いついたように、大男へ歩み寄ると、
「おい。寝るなよ。まだ金をもらっていないと言っただろう。」
幾度か呼びかけてみるが、完全に伸びてしまっているようで、男は全く動く気配を見せない。
「起きないみたいだ。」
そう言い捨てる
面倒くさそうに息を吐き、
「さて、どうしたものかな。」
「そうですな。こいつはどうやら剛鬼の類のようだ。ならばここに・・・」
小男が、伸びている大男の頭頂部辺りを探ると、髪に隠れ子供の拳ほどの大きさの黒く光るとがった石のようなものが顔を出した。
「おぉ!これは素晴らしい。」
「なるほどね。
「店の修理のこともありますから、いただいたところで取りすぎということにはなりますまい。」
店内を改めて見回すと、大男がなぎ倒した卓やなんかがそこいらじゅうに散乱し、酷い有様だ。
「実は外店の仕切りは私の職務でありまして。」
そう言って頬を緩めるこの男は非常にしたたかなものである。
「
それを確認した
まるで豆腐か何かでも切ったように、するりと角が切り離される。
途端に、大男はカッと目を見開いた。
「おまえ!ここまでするのか!」
どうやら自身の一部である大切な角を斬りおとされた衝撃で気を取り戻したとみえる。
大男は、ぶるぶると震えながら、見ていて可哀そうになるほど酷く取り乱していた。
「
そう言って
「俺がいつ、そいつを汚そうとした。そいつは自分から飛び出して来たんじゃないか!」
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