第298話 外店 1
「本当に子供だましな場所ですよ・・・。」
男の後について店に入った
「ずいぶん、子供が多いのだな。」
店内を見回していた
するとそこに、白いグローブをはめた細身の青年妖鬼と、まるで壁のように大きな太ったネズミに似た生き物の姿が向かい合って立っている。
ネズミの方は、あまりの大きさに思わず圧倒されてしまうが、よく見るとクリクリのまん丸い瞳が妙に愛らしい。
「チンチラに似ている。」
動物好きの
巨大ネズミの後ろには、それより大分サイズは小さいが、それでも
その横に大中小といった順で、7匹のネズミが行儀よく座っていた。
末席でポロポロ大粒の涙を落とし、頬をさすりながら酷く哀しそうにしている7匹目のネズミの肩を、少し大きなネズミがポンポンと優しく叩いている姿がとても気になるところだ。
応援組とおぼしきウサギほどの大きさのネズミ数匹が心配そうに、泣いているネズミの周りを歩き回っている。
説明書きの立て札を見た限り、どうやら挑戦金を払いネズミと打ち合って、勝てば札に書かれた賞金がもらえる仕組みになっているようだ。
「ちょっといいかな。」
「彼はなんであんなに泣いているんだ?」
横にいた少年も興奮した様子で話に乗ってくる。
「あいつら、いつも乱暴なんだ。」
「そうだよ!さっきだって、あの
「無視して殴り続けたんだから。」
少年の話を聞いていた
そうこうしている間に、当の青年妖鬼はニヤリと笑い、二足立ちの巨大ネズミに思い切り殴り掛かっていく。
だが、拳を受け止めた巨大ネズミの方はびくともしない。
毛をむしられたり耳を引っ張られたりと好き放題されているが、それでも全く動くことはなかった。
白く滑らかな毛が宙に舞うたび、妖鬼の少年たちが「反則だ!」と声をあげる。
しびれをきらした青年妖鬼は、
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