第296話 常世郷 3
小男の後ろをついて歩き出した
布越しに伝わるその甘い熱は、
「
ピクリと指先を震わせ、
はしゃぎそうになる心臓を、どうやら少しばかり落ち着かせることに成功し、
「平気。こんな場所、見た事も聞いたこともなかったから、驚いたんだ。ちょっと集中してただけだよ。ぼけっとしてて転んだりしたらカッコ悪すぎるし。それに、それじゃ・・・・・・ない。」
その時。
「それに・・・なんて?」
「それじゃお前を、守れない。」
そんな二人の様子を面白そうに見つめていた
「そんな顔するなって、
ふわふわの小さな頭を、大きな
「サンキュ。
こうして、はぐれてしまわないよう、なんとなく二人ずつ組みになった一行は、中央を真っすぐ貫くように伸びた通りを、小男について歩き出した。
間もなくあることに気づいた
「提灯の下に黒い飾り布を下げてあるね。なにか意味があるのかな。」
その言葉で
ここの情景は、石段通りのものと酷似しているのだが、軒下につるされた煌びやかな提灯の下には黒い布が上品にはためいているのだ。
小男は
「お気づきになりましたか。・・・これは我らにとっては護符のようなもの。ここ
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