第295話 常世郷 2
瞳を飾る煌びやかな星の正体は、無数の提灯だった。
ここでも石段通りの景観を保っているのだろうか。
石を削って作られたであろう、長く続く巨大な空間はあまりにも広く、もはや一つの街と呼べるほどだ。
艶やかな無数の建物が石壁に器用に埋め込まれており、軒下を美しい提灯の光が戯れている。
照射殿の造りに似せてあるのだろう。
建物は全て淡い光を纏っており、今まで青白く狭い通路を来たせいなのか、ほんのりとした温もりさえ感じられ、
何かしらの術なのか、突き抜けるほど高い天井一面には輝く星々がちりばめられている。
大小の星々は、じっと震えているものもいれば、そわそわと落ち着かない者もあり、その動きはいたって自由だ。
正面に位置する巨大な建物はひときわ
気のせいだろうか、ここの情景は華やかではあるものの、石段通りのものよりも数段上品で大人びているような、澄ました気配があるのだ。
そのわずかな動きで、
「離れないで。このままでいい。」
前を歩く
仮面の下の視線を追うように
入口に続く広場には隙間なく夜店が立ち並んでおり、荘厳な建物と対を成すように騒がしい活気や歓声であふれ返っている。
「すごい人混みだ。離れたらはぐれるかもしれない。」
そんな
「大丈夫。もしはぐれても、絶対に探し出すから。・・・言ったろ?一人にはしないって。」
顔を上げるが
「私もだ。」
突然向けられた
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