第288話 脚休め 5
今にも息がかかりそうなほどの
そんなことには全く気付かず、小男は透き通るように白い
「お客様も人がお悪い。当店の裏の品書きをご存じなのでございましょう。・・・
店違いなどではございません。特別なお客様に限った極秘のものなのです。声を低め、くれぐれもご内密に願います。」
男が言い終えると、
どうやら物わかりのいい辺境出身の上客であると
小男の顔に再びニタリと笑みが戻った。
調子を取り戻した小男は、一つ咳払いをすると芝居じみたもっともらしい言葉を口にする。
「ここでは卓が置けませんので、鍋を振る舞うには非常に不向きだ。・・・本来お客様をお通しできるような場所ではございませんが、調理場の奥でよろしければ、特別に席をご用意させていただきます。」
「いいのかい。無理を言ってしまったようで悪いが、頼むよ。凄く楽しみにしてきたんだ。」
「なんの。腕を振るわせていただきますゆえ、いましばらくお待ちください。」
女たちを連れ、鼻歌でも歌い出しそうに機嫌のいい小男がこの場を去ると、再び穏やかな空気が戻ってくる。
極めて自然体で飾ることのない
隣に座る
「なぁ。のんきに団子なんて食ってるけどさ、さっきのあれ、なんなんだ?」
「
腑に落ちないまま、
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