第285話 脚休め 2
「へぇ。よく気づいたな。
「実はこの店の話を耳にして、少し気になっていたんだ。・・・あまり、品の良くない噂話をね。」
ほのかに香る温泉特有の芳香と、薄く立ち上る柔らかな湯気に包まれながら、4人は身体を寄せ、聞き逃すまいと極めて慎重に耳を傾けた。
ところが
無責任にも言い散らかしたままでいる、自由奔放なこの蒼い妖鬼の気をひくため、
そこでようやく
目にした4人の
「ん?・・・もしかして、話の続きを聞きたかったのか?」
「当たり前だ!」
「
どう考えてもおかしいのは
「わかった。静かにする。・・・で、良くない噂っていうのはなに?」
「それを話す前にまず、ここのことを話す。・・・冥府には、君たちの世界のような煩わしい決まりごとは少ない。ボクらはただ、自分自身の欲望のままに生きているのだから、大概のことはいい加減で済んでしまうことが多いんだ。望み通り生きたければ、誰よりも強くなればいいだけ。簡単な話さ。・・・・・・だけど、ここ照射殿と石段通りは話が別だ。ここはボクのものだからね。ボクだけがここを、好きにしていい。」
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