第283話 冥府は怖いとこ? 3
伸ばされた女の指先は、
唐突に指先を襲った、電気が走るような鋭い痛みは、女の肘のあたりまでを一瞬で駆け上がり酷く痺れさせた。
小さく悲鳴を上げ、険しい表情で腕をさする女が見つめた先にいるのは、滴る血のような紅で瞳を光らせた
すっかり傍観者の気分で一連の出来事を眺めていた
「全く・・・・・・。
「なんのことだ。私はなにもしていないよ。あんなに急いでいたんだ。よほど急用を思い出したか、主に呼ばれでもしたのだろう。」
さほど歩かないうちに、石段の踊り場のような場所に長く掘られた足湯を見つけ、
「ほら、なかなかいいだろう?」
かけ流しの湯が竜の頭を模した滝口からたっぷりと惜しげもなく吐き出されている。
石の板で品よく囲われた浅く細長い浴槽からとうとうと溢れでる湯は、どこまでも澄み渡り清らかだ。
飾り気のない低い木造の壁のない建物は長い月日を経たものであろう。
古びやかな様相はなんだかどこかで見たことがあるもののような気がして、
「
「ちょうずや?」
「あぁ。神社なんかの入口のあたりに、
「手、洗うところかっ。」
「確かにっ。」
ぼんやりと感じていた疑問の答えが速やかに明かされ、三人がむずがゆいくしゃみがすっきりと出ていったような爽快感を感じていると、
「君たちの住んでいる場所のことを、あまりしゃべり過ぎるなよ。怪しまれる。・・・・・・ボクは全く、構わないけどね。」
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