第277話 光弘の支度 5
『彼が
白銀のつややかな髪を揺らしそんなことを語っていた、恥を知らない小憎たらしい青い妖鬼の声が、
息苦しいほど胸を引き絞られ、
・・・・・・寂しさを抱いていたのは、
なによりも
・・・・・・
それなのに、
暴くどころか、一切触れようとすらしなかった。
実のところ
その用意が徒労に終わったことに対して、黒が特に思うことはない。
だが、こと
過去など顧みてどうする。
それを知って欲しいと思うのは、ただの自分のわがままだ。
ようやく手にすることができた二人過ごせる今を、味わい尽くしていられればそれでいい・・・。
頭ではどうにかそんな考えをひねり出してみるのだが、心が酷く抗い一つの真実を無理矢理目の前に突き付けてくる。
「
今にいたるまで、その真実をわずかすら疑うことなどなかった。
だが、
そうしてみれば、
こんなにも
こんなにも
なんてことはない。
全く、
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