第273話 光弘の支度 1
「姉さん。」
「うん?」
「俺、別に外で着替えても平気だよ。」
「ダメだ。」
まるでわがままを言う幼子のように、余裕なく少し怒ったような
「ありがとう、姉さん。」
そういって着がえ始めた
「みーくん。何か気がかりでもあるのか。冥府に行きたくないのか。」
「違う。行きたくないなんて、そんなことは絶対にないよ。・・・ただ」
その
「ただ・・・?」
「・・・・・・ごめんね。本当は少し、悩んでる。みんなや姉さんと一緒に行きたいのは嘘じゃない。だけどあんな状態の黒を、独りにしておきたくないんだ。本当はすぐにでも戻って・・・・・・彼の傍にいたい。」
大変気まずい様子で俯いてしまった
「みーくんは、優し過ぎる。大丈夫。
「姉さん・・・・・・。姉さんは随分と物知りだけど。」
「うん。」
「黒のことは、知っているの?」
「・・・・・・知ってるよ。」
「聞いてもいい?彼のこと。」
「遠慮なんてしないで、なんでも聞いて。」
そう言って、
そのまますかさず結界を張り、二人から時間を切り離してしまう。
小さく一つ息を吐きだしてから、
「黒は、
「そうだよ。」
「彼のように崇高な存在が、俺のそばにいてくれる理由が、わからないんだ。」
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