第269話 成長
「ああ。」
「よく、こんなことを思いついたものだな。」
「・・・これでしょ?実は、二人がいなくなってしばらくしてから、
「
「うん。身体能力が追い付かないなら、力を道具に変化させてみろって。・・・けど、やっぱり動いている毛むぐりを捕まえるのは難しかったから、俺の妖力を飛ばして何匹が気絶させたんだ。それを逃がさないで囲う練習をしてみたらどうかと思って。・・・・・・ずるして捕まえたから、こいつらは捕獲数としてはノーカウントってことで。」
心底感心した様子の
「なるほどね。それにしたって、こんなに短期間でここまでちゃんとした形を作れるようになるなんて・・・凄いじゃないか。」
その言葉を素直に受け止め、
「ありがとう。実は、俺も驚いてる。さっきは指先を包むのだって難しかったから、形を作れるようになるまではかなりの時間がかかると思ったんだ。・・・だけど、やってみたらさ、少し懐かしいような感じがして、思った以上に形にすることができた。」
「懐かしい?」
「
頭に手を置いたまま、突然黙りこんでしまった
ハッとした様子で顔を上げた
呆れた
「なんでもないよ。君達のあまりの成長ぶりに、感動で言葉がつまっただけだ。」
「みんな、随分と頑張ったじゃないか。腹が減っただろう?いい店を知っているんだ。連れて行ってやるよ。・・・と、その前に。せっかくだから、お色直しといこうじゃないか。」
「お前。みーくんたちをどこへ連れていくつもりだ。」
嫌な予感以外全く感じ取ることなどできないという、あからさまな不信感を顔に張り付かせ、
「冥府だけど?・・・照射殿の石段通りの店さ。そこに、最高に旨い飯を作る友人がいるんだ。ボクがちゃんと結界をはってやるから、数時間位ならこいつらだって問題はないだろう?」
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