第266話 蒼の館 18
「・・・謝るな。悪いと思うなら初めからしなければいい。
黒は腕を枕にふせ、このうえなく気だるげだ。
これ以上語る気があるのかないのか、考えに耽っているようでも、しょんぼりと落ち込んだようにも見える。
二人のやり取りを瞳だけ動かし見つめていた
「話が変わってすまないが。私にも少し、話しておきたいことがある・・・・・・。」
「うん。」
「なぁに?」
互いの返事が重なったことに若干の不愉快をにじませ、思わず悪口を吐き出しそうになりながら、
「・・・一つだけ、私に預けて欲しいことがあるのだ。」
前触れなく吐き出された海神の真剣な言葉に、
「
黒はほんのわずかに目を細め、「あれね・・・」と小さく漏らし、
宵闇の作り出した黒一色の世界・・・・・・。
子供たちが立ち去った後に、あの場を訪れた者がもう一人いた。
・・・・・・
数百年前・・・。
自らの故郷を滅ぼし、姿を消していた
彼の自我は完全に消し去られ、精神を何者かに乗っ取られていた。
彼の内に潜む者は未だ得体が知れない。
ただ者ではないことは確かなのだが、妖鬼である
そして
数百年前。
この出会いが最初であり、これ以外に言葉を交わした記憶などない。
だが
闇の世界に現れた久遠の父は、こともあろうか
もちろんそんなことを
彼のその攻撃にまかれたように見せかけ、
しかしながら、黒と
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