第264話 蒼の館 16
「さぁ。必要なことは聞いた。念を繋いでさっさと子供たちのところへ戻ってやろうか。」
「・・・うん。」
見つめ合う二人は、黒と青の澄み切った瞳をまるで極上の宝玉のごとく赤くきらめかせる。
再び互いの色を取り戻すと、
「黒。遠慮はいらない。必要な時はすぐに呼べ。」
見事なまでにひねくれ切った黒の様子に、
「
「どういう意味?」
黒は傷ついた瞳を揺らし、
どうやら言葉尻を取り違えてしまったようだ。
くしくも黒は、「お前は常に
初めて黒が見せたあけすけすぎる動揺に、
同時に
黒は
特にそのことには深い興味を示すことなく、
「安心しろ。君が思っているのとは全く違う意味だよ。」
「違う?」
「
黒はかすかに眉を寄せた。
このうえなく切なげな
「君は
「……。」
「
「あの人に対して、品のない言い方をするな。」
その言葉を小石でも蹴飛ばすように軽く笑い飛ばすと、
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