第263話 蒼の館 15
その花が咲いたのが、黒が鞭打たれているそのさなかであることに、黒はきづいていた。
真冬の夜空に星をちりばめたような黒の瞳には、「僕があんなことになっている間に、君達は一体なにをしていたんだろうね。」とありありと書かれてはいるが、同時にこのうえなく面白がってもいるようで、あくまでも楽し気な様子だ。
興味深げに瞳を煌めかせている黒に向かい、
「黒・・・君ってやつは、なんて目ざといんだ。・・・おい。あまり
自らの身体を盾に、
黒はあえて目を大きく開いて見せた。
「本当に君の口はよく回るものだね。僕が激痛にもだえている間に、好き放題お楽しみだったというのに。」
黒は片方の眉を上げ、続きを話す。
「
黒の言葉を静かに聞いていた
「・・・すまない。」
「
「・・・・・・。」
黒の背中を見つめ、沈んだままでいる
「勘違いしないで、少しからかっただけだよ。僕は別に怒ってない。君達はそのままでいい。」
終始このようなやりとりをしている
そもそもが、黒が
そうでなければ、このように
だがその一方で、剥がれかけのささくれをさわさわと煩わしく撫でられているように、心がわずかに乱れ続けてもおり、酷く戸惑っていた。
痛みをこらえているのだろうか・・・・・・。
黒の笑みにわずかに陰りが見えたように感じ、ひんやりとした不安を覚えた
だが残念なことに、ちょうど機を同じくした
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます