第260話 蒼の館 12
「言ったはずだよね・・・・・・。僕は怒らない。・・・・・・言えよ
黒の指摘に
「・・・どうやらボクが間違えたらしい。・・・恐らく
「おい、言っておくがボクを責めるなよ。別に悪意があって伝えなかったわけじゃない。
顔をしかめる
「なるほど。確かに君の言うことには一理ある。そうだね・・・僕が詳しく知りたいのは、
「だとしたら、ボクの話もあまあり役には立たないかもしれないな。ボクが知りえた
「短い?僕が石を手放してから君の元へ渡るまで、さほど時間を必要としなかったということ?」
「ああ。少し細かく説明する程度になってしまうだろうね。・・・・・・石を投げ捨てた時、
「・・・・・・。」
「・・・君の血に含まれる妖鬼の香りがよほど魅力を放っていたんだろう。恐らく、大樹の付近に潜んでいた穢れ堕ちだろうけど、転がった袋に群がり奪い合いを始めたようだった。うなり声と争う激しい音がしばらく続き、その間に石の一つは転がり出てしまったんだ。しばらくそうして争っていたけど、結局羽のあるものが咥えて飛んだんだろう。羽音が響き静かになった。ま、それもそう長く続くことなく、止んだけどね。10分かそこらといったところだろう。落とされた気配があったから、しばらく羽ばたいたところを何かに襲われたんだ。」
「それだけ?」
「そうだね。落ちた後は特に変わった音も聞こえなかった。袋の血が眩しいほど鮮やかな赤に色を変え、また再び色味を落ち着かせたところで石は止まった。ボクが手にするまで他に袋に触れた者はいない。」
「つまり、僕が石を捨ててから君が拾うまで、誰も石に触れた者はいなかったということ?」
「穢れ堕ちを除くっていうなら、そういうことになるだろうね。」
黒と
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