第255話 蒼の館 7
そんな
「君の言う通り。僕は黒であり、
この言葉に、
「転生!?ありえないっ・・・・・・。確かに、そうだとすれば
「何がありえないの?僕は不死じゃない・・・・・・。なにもおかしくはないでしょう。」
不機嫌そうに眉をよせた黒の言葉に、
他の誰がそうであっても不思議はないが、それが黒となると話は全く別といっていいだろう。
彼が命を落としたという話などもちろん聞いたことがない。
それに、一体何をどうすれば、これほどまでに他を圧倒する力を持つ彼が、死に直面することなどできたというのだろうか。
黒に手を出す身の程知らずなどいるわけがないし、そんな狂った勇者がいたとしても、そいつがそれを考えた瞬間にはすでに黒自身の手によって、跡形もなく吹き飛ばされているに決まってる。
考えられる死の理由として思いつくものは、一つしかなかった。
凍えるほど冷たい血液が全身を一気に走り抜けたかのような悪寒が、全身をぞわりと粟立たせる。
「・・・自ら・・・命を絶ったのか。」
低く吐き出されたその問いかけに、黒は顔色一つ変えることなく、つまらなそうに答える。
「・・・さあね。どうやって死んだかなんて、いちいち覚えてはいないよ。・・・興味がないんだ。」
いくらなんでもそんなわけがあるはずはないだろう。
だが、黒にそういわれてしまえば、
肯定も否定もしない黒の柔らかな声は、彼らがこれ以上踏み込むことを酷く拒絶しているのだ。
たとえ
それをするということは、ただ自らの好奇心を満たすために、他人の家に土足で上がり込んで戸を蹴破って荒らしまわるのとなんら他ならないのだ。
それは、あまりにも無神経で軽蔑すべき恥知らずなことである。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます