第249話 蒼の館 1
主に対して軽口をたたく
黒の妖鬼・・・・・・その名を聞いて戦慄を覚えることのない妖鬼など、ハッキリ言って自分たちの主くらいのものなのだ・・・・・・。
そんな彼らの心境など、これっぽっちも感じようとはしない
「やぁ。気分はどうだい。」
ノックもそこそこに扉を開けると、
「見てわからないのか。・・・
黒の言葉に、
「だから、なぜそこで
最後まで言い終えることなく、黒は「うっ」っと息を詰め、
「・・・無理はするな。身体に障る。」
「っ・・・
黒は恨めし気に
「それから、これ以上妖気を無駄にしてはいけない。僕の傷にはどんな術も効かないよ。・・・知っているだろうに。なぜこんなことをする。」
「・・・うん。」
言われてうなずきつつも、
黒の額に浮く、玉のような冷たい汗が彼の手を下げさせない。
気のせいであることはわかりきっていたが、彼の手のひらから送り込まれるじわりとした温もりに、黒は痛みがわずかに薄らいだ気がした。
「
「おい。
「僕に彼を奪われたくないのなら、しっかり彼の心を繋ぎとめておくことだね。僕は欲しいものを、絶対に諦めたりはしない・・・・・・。」
「黒・・・・・・。本当に
「・・・そうだね。確かに、好機は今しかないだろう。やるならやれば?」
本気で殺気を放ち始めた
「・・・
「・・・ちっ」
「冗談だよ。・・・さぁ、おふざけはやめだ。
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