第241話 混乱 2
心を落ち着かせ、大切な友の気配を静かに探ってみれば、
しかも、最も悪いことに、念は垂れ流されているのではなく、恐ろしいほどの力を瞬時に炸裂させようと、凝縮し続けているのだ。
下手に刺激しようものなら、針を立てられた風船のように、瞬時にはじけ飛んでしまう。
そんなことになれば、恐らく
・・・・・・
一点の光すら与えない、重く冷え切った泥のような絶望にのしかかられ、口を利くことすらできず、脳裏を駆け抜けていく真っ暗な過去に問いかける。
2千年前・・・。
彼が姿をくらましたのは、妖鬼と結託するためであったと?
邪悪な笛を吹き鳴らし、妖鬼と共に神妖界を陥れ、多くの神妖たちと・・・
再び姿を現した時・・・。
あれが彼の本当の姿だというのか?
私はずっと・・・彼に、騙されていたのか。
それまでの宵闇の姿が・・・・・・全てが、偽りだったと・・・・・・?
この痛みごと、呪いのような憂いを全て切り捨て、ただ
もう、何も考えたくない・・・・・・。
呼吸を乱し、暗く沈んだ双眸をあげると、
強い意志をみなぎらせた赤い瞳で、
「ああ・・・。
「彼はもはや、神妖なのか妖鬼なのかすらわからない存在になり果てていた。自らの意思で魂があんなに変異した者を、ボクは見た事がない。・・・彼がああなったのは、恐らく・・・・・・。」
「ねぇ、
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