第237話 白妙の心 6
「
「・・・
「2千年もの間。固く約束を違えず、
蒼の声は、酷く震えている・・・・・・。
あっけなく堰をきってあふれ出してしまった涙を、とどめることなどできない。
「・・・
蒼のついた手の辺りにポツリと澄んだ雫がにじんだのを見つめ、
「
2千年前のあの時・・・・・・。
恐らく、彼の本心がそれを言わせてはくれなかったのだ。
それほどまでに強く、
蒼は頭を深く下げたままだった。
「幼い
白妙の意表をつく言葉に、
「なぜ、妖鬼の王をころしたことが、
「・・・お前の行いを見ていれば、地位や名声には興味が薄い者であるとわかる。お前は短気で気ままで、面倒を嫌う者だ。そのお前があえて、王を殺すという面倒極まりない名声を得たことには、何か理由があるのだと思った。」
「・・・どんな理由?」
「妖鬼の王がお前の逆鱗に触れることをしたか、ただのお前の暇つぶしだったか、あるいは・・・・・・愛する幼子が平穏に生きることのできる場所を求め、そこに害をなしていた不届き者を、手っ取り早く葬ることにした・・・とかな。」
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