第238話 白妙の心 7
ハッと、どこか笑ったようにも聞こえる短い息を吐く。
俯き加減の顔は白銀の髪の影になり、口元以外その表情はハッキリとは見えないままだ。
「・・・そんな昔の話、ボクはとっくに忘れてる。・・・・・・きっとその時のボクは、よほど暇だったんだろうね。」
白妙はそんな二人の姿に目を細めた。
「
「気にするな。ボクが妖鬼であることを隠していたのは、
妖鬼は神妖の恨みをかっていて当然の存在。
妖鬼の自分では海神の傍にいられない。
そんなものを傍においておけば、
「それをお前が望むのならば、従おう。」
「まぁ・・・
突然転がりだした娘の名に、
「なぜそこで、
「・・・ん?あー・・・。
そう言ってあっけらかんとした様子を見せ、ようやくしっかりと顔を上げた
話を聞いて、
「まずくはないが・・・。」
蒼は神妙な面持ちになり、はっきりと口にする。
「・・・親しい者や大切な者に隠し事をするなんて・・・身体の毒にしかならない。そんなものは可能な限り、無い方がいいに決まってる。ボクなら絶対にごめんだしね。・・・そんな重責を幼い人間の子供に与えてどうする?・・・だから
「自分がやられたら嫌だと思うことを他人には押し付けるなんて、悪趣味がすぎるだろう?・・・ボクは醜悪なものが吐き気がするほど大嫌いだ。そんなものになりさがりたくない。・・・死にたくなるよ。」
つまりこの男は、
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