第236話 白妙の心 5
「予定とは違うんだけど・・・。ねぇ・・・
「うん。」
すかさずうなずいて返した。
次の瞬間・・・蒼は瞳を紅くきらめかせ、強烈な邪気を一気に放った・・・・・・。
「お前っ・・・!」
「静かに・・・」
「黒っ・・・・・・」
突然響いた女の声に下を見ると、
その目は苦しみにあえぎながらも、確かに開かれていた。
蒼はスッと邪気を納めると、
「ありがとう、
さきほど白妙は、
恐らく、黒とまみえたことで、妖鬼の気配や殺気などの邪の気に対して一時的にかなり敏感になっているのだろう。
黒にかかわる反応がそれほど強く現れるのならば、この場に黒本人が来れば、白妙はその衝撃で目覚めるかもしれないと、
だが、黒は今とても動かせる状態ではなく、さらにこの方法が使えるのは、不安定に意識の浮き沈みが起こっている今だけのことだろう。
意識が完全に沈み込み、そこで
そこで
息を乱し、目だけをゆっくり動かしてその場にいる者たちを確認すると、肘を支えに起き上がろうと身体を斜めにしたが、力尽き再び背を寝床につけることになってしまった。
「無理をするな。そのままでいい。」
「強烈な邪気だ。・・・黒がいるのか?」
「いや。・・・黒じゃない。今のはボクがやったんだ。」
「・・・お前・・・なぜっ」
白妙の目が驚きに見開かれる中、
一瞬の後にそこに姿を現した見慣れぬ者の姿に、
白銀の髪を揺らし、海色の澄んだ瞳をきらめかせる男は、深く甘い声を響かせる。
「白妙。やはり、君は既に気づいてたんだな・・・・・・。ボクは妖鬼・・・双凶の
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