第13話 小野寺 都古の物語>出会い 1
野崎たちが去った後の教室・・・・・。
濡れた
たくさんのサインを見逃し、光弘の苦しみに気づくことができなかった。
そればかりか、自分のことを大切に想ってくれている者まで危険にさらしてしまった自分のふがいなさに、私は唇を強くかみしめた。
他の人に見えないものがどれほどたくさん見えたところで、本当に大切なものは私には何一つとして見えていなかった。
見逃し続けてしまっていたんだ。
私は、教室の中を無言で片付け続けている
私にもっと強い力があれば、光弘も・・・・・そして真也と勝も。
誰も傷つかずに・・・・・胸を痛めずに済んだかもしれないのに。
真也と勝はとても大切な友人だ。
だがだからこそ、私には伝たくても絶対に伝えるわけにはいかない秘密がある。
もし知られてしまえば、もう二度と2人と共に過ごすことができなくなるかもしれないからだ。
入学してから4年。
私は秘密に関わる一切を封じて生活することを心に決め、それを徹底していた。
しかしその
「2人を失いたくない」そんな私だけのわがままのせいで、光弘は見落とされることになったのだ・・・・・と。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます