第2話連絡手段と加速する気持ち
衝撃的な昼休みを過ごし、ギリギリセーフで授業に間に合った午後。俺はとある重大な事実に気づく。
(あれ、俺ミリちゃんと連絡先交換してなくね・・・。)
確かにお互い興奮冷めやらぬな感じではあったが、さすがに別れ際で気づくべきだった。
(はぁあああ、やってしまった!
連絡先を交換し名実共にミリちゃんの彼氏と名乗れる様にしなくては。)
恋は盲目と言うが、そこからの俺は普段使わない頭をフル回転させ、連絡先を交換する為の作戦をノートに書き込んでいると。いつも授業は寝ているばかりの俺が何時に無く真面目にノートを書いて居る姿に驚いた先生が話しかけてきた。
「おい、おーい、木葉!
急にノートなんて書いてどうした?頭でも打ったか?それとも先生の授業の面白さに気づ・・・」
「全然違います!
先生の授業はいつも通りつまらないけど、今俺がノートを執っているのは愛と青春のためなんです・・・。」
「えっ、あっ、つまらない、のね・・・。
ってなんだその理由!?ちゃんと先生の授業を聞きなさ~い!!」
俺は素直に理由を説明したのに先生は怒りMAXになってしまったが、俺はミリちゃんの為愛と青春の為に頭と手を止めなかった。
午後の授業を全部使いそして、その都度都度で先生を怒りMAXにしながらも最高の作戦が生まれた。
(やべぇ、これはもう天才的過ぎる・・・。
これでミリちゃんとの明るい未来が切り開く!!)
数年付き合っているかのような思考回路だが、まだ付き合って数時間。俺はもうミリちゃんの事しか考えられないでいた。
浮かれたまま帰りのHRが始まり、先生の話を聞き流しながら作戦のおさらいをする。
「えーっ帰りのHRだが、俺は今日色んな先生方に木葉がヤバいと言う事を言われた。ってことで、木葉どうなんだー?おーい、木葉聞いてんのかー・・・。」
(よし!今日の作戦をおさらいしよう。
まず放課後直ぐにミリちゃんの教室へ行き、ミリちゃんを捕まえる。そして教室内にまだ人が居るだろうから聞こえるような声で連絡先を聞き俺が彼氏になった事も言おう!)
作戦が成功した時の事を考えニヤついていると、先生の大声がやっと俺の耳元に辿り着く。
「だ・か・ら、木葉ー聞いてんのか??
ったく、今日は放課後直ぐに職員室な。
先生と一緒に行くぞ~。」
職員室に呼び出されるのは別に構わないが、今日は絶対にミリちゃんの元へ行かなければならない。俺は先生に真っ向から反抗した。
「先生!!今日は職員室には行けないので明日行きます。」
「はっ?キミは先生を舐めてるのかな??」
「舐めてないです、でも今日はホントにダメなんです。だって・・・。」
「だって?なんだよ、早く言いなさい。
言わないとHR終われねーよ。」
「だって・・・今日は俺愛と青春の為に行かなきゃ行けない所があるので!
ってことで、理由言ったからHR終わりですよね。先生さようなら~。」
先生に言われた通り理由を伝え、俺は全速力でミリちゃんのクラスへと走る。
(明日はめちゃくちゃ怒られる・・・。
でも、今はミリちゃんと俺の為に走るしかない。)
何度も言うようだが、まだ付き合って数時間連絡先を交換するだけでこんなに全力になる奴はあまり居ないのは分かっている。だがこれが初彼女を手に入れ、ギャップ萌えに沼りかかってる奴の姿なのかもしれない。
「よーし、頑張れ俺!!」
俺は自分自身を励まし、彼女の元へ向かう。
彼女のクラスがある廊下に辿り着いたが、どこのクラスもまだHRをしている様なのでゆっくり歩きながら目指す事にした。
(作戦通り行けば行けるはず、、、)
案外緊張して来たがもう彼女のクラスは目の前の距離、深呼吸をしながら待つ中でふと感じた事があった。
(他クラス来てるってのもあるけど、約束もしてないで話しかけたりするのって緊張する。ましてや告白って、ミリちゃん凄い勇気出してくれたのかな・・・。)
ほんの数時間前まで全然面識の無かった俺達は彼女の勇気があって出会い・付き合う事になった、次は俺が勇気を出して最初の1歩を踏み出す番だと思い気合を入れる。
数々の伝説を残してきた姉御なミリちゃんがウブな反応でやられました・・・。 花見 はな @secret-garden
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。数々の伝説を残してきた姉御なミリちゃんがウブな反応でやられました・・・。の最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます