数々の伝説を残してきた姉御なミリちゃんがウブな反応でやられました・・・。

花見 はな

第1話突然の告白でメロメロです

「わっ、私と付き合ってください!!」


「へっ・・・?」


いつも通り屋上で飯を食おうとしたら、俺【木葉優我】は今日学園の姉御【雪白ミリ】に告白された。特に目立つタイプではない俺と学園の誰もが知っているような彼女とでは接点が無さ過ぎて、普通は罰ゲームなどを疑う所だが俺は正直舞い上がっていた。


(えっ、やば、告白されたの初めてなんだけど・・・。しかも相手は学園の姉御で数々の伝説を残している雪白さん。)


産まれてきて早16年今まで好きになった人は数知れずだが、付き合った人数は0な俺。彼女と言う存在に憧れを持ち続けていた俺は、雪白さんの事を良く知らないが告白に応える。


「はい、よろこんで!!」


雪白さんは不安そうな表情で俺の返事を待っていてくれ、返事を聞いた瞬間驚いた表情になり照れてきたのか顔が赤くなっていく。


(姉御って聞いてたけど、こんなに表情がコロコロ変わるなんて可愛いな・・・。)


しばらく彼女の表情を見ていると雪白さんが突然俺の手を取り、目を合わせ


「ほ、ほんとに?凄く嬉しい。

これからよろしくね、優我!」


満面の笑みを浮かべ目に涙をためる可愛いらしい彼女にドキッとし、言葉使いは姉御らしさ全開でなんだか不思議な気分になる。


「こちらこそよろしくね、雪白さん。」


俺は普通に返事をしたつもりだったけど、雪白さんは納得しなかった様子。また顔を赤くし、上目遣いでこちら見てきた。


「その、今から私達は恋人だし名前で呼んでくれたら嬉しいんだけど・・・。」


突然のお願いに興奮した俺は鼻血を出してしまい、雪白さんが慌てて俺の顔を上に向かせティッシュを当ててくれる。


(めちゃくちゃ恥ずかしいけど、なんか手当が手馴れてるなぁ。さすが姉御って感じなのかな、それにしても鼻血出すとか嫌がられないかな?)


恋人になって早々鼻血を出してしまう彼氏なんて嫌がるだろうと思っていたが、雪白さんは嫌がる素振りをせず俺の体調をとても気遣ってくれた。


「だ、大丈夫??

この頃暑くなってきたし熱中症かも知れない、早く保健室に・・・。」


(こんなに心配してくれるとか、良い彼女過ぎるだろ。ちゃんと俺雪白さんの気持ちに答えないと!)


「大丈夫だから!

心配しないで、その、ミッ、ミリちゃん?」


女の子の名前を呼ぶなんて幼稚園ぶりで少しつっかえてしまったが無事に呼べた事に安心し、もう名前を呼ぶ事に慣れ始めたのでこのまま呼ぶ事にした。


(ふぅ、ちゃんと呼べて良かった~。

っと鼻血も大分治まって来てる。)


「ねぇ、ミリちゃん大分治まってきたよ・・・。」


心配してくれた彼女に治ってきた事を伝えようと下に視線を向けると彼女は首まで赤くなり小刻みに震えている。


「えっ、だ、大丈夫??

ミリちゃんこそ熱中症じゃ・・・。」


さすがに照れてるを越した赤さだったので心配になり話しかけると予想外な答えが返ってきた。


「大丈夫だから・・・。

ただちょっと名前で呼ばれるの想像以上に恥ずかしくて。」


「あっ、そ、そうなの?

じゃあ体調は・・・。」


「めちゃくちゃ元気!大食い大会出れそうなくらい!

だからその恥ずかしいだけ、あっ鼻血止まったんだっけ??良かった~。」


「良かった~、安心だよ!

そうそういつの間にか止まってた、あはは。」


まだ顔の赤さが引かない彼女と予想外な反応に実はたじたじな俺の間に沈黙が広がる。その間も時間は過ぎていき午後の授業を教える予鈴が鳴り響き、俺達も流石に動き出した。


「も、もう予鈴鳴ったから急がないとだね。その告白OKしてくれて、あっ、ありがと。」


モジモジしながら言葉終わりが消えそうな小さな声で伝えてくれる。


「そうだね、急がないと。

ううん、俺の方こそありがと!」


彼女の顔はまだ少し赤かったが、授業に遅れるとマズイので駆け足で屋上を後にした。彼女とは別クラスな為階段下で別れることに。


「じゃあ私あっちだから!

ま、またね、優我。」


「うん、じゃあまたね!

ミリちゃん。」


お互いにクラスへ向かって歩き始める、俺はもうニヤニヤしっぱなしだった。


(やばい、めちゃくちゃ可愛すぎる!!

数々の伝説を残してるのにあんな照れるなんてギャップ萌えだろ・・・。)


「って、俺もうすでにメロメロじゃね?」


まだミリちゃんと話して30分程、俺はもうすでにメロメロになっていた。

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