ステータスの振り追加
草原の丘で寝ること四時間………、
「寝過ぎた……」
メリルはぐっすり寝ていた。
そしたらいつの間にか夜になっていた。
周りに沢山居たはずのプレイヤーたちもいつの間にかいなくなっていた。
「ログアウト」
ログアウトボタンを押し、ワルオンから離れた。
既に時刻は午後11時を過ぎており、メリルは夕食を食べずにぶっ通しでワルオンをプレイしていた。
一階へ降り冷蔵庫からお茶を取り出そうとした時、テーブルの上に置いてあった夕食と付箋に気付いた。
「程々に」
母親からの言葉であった。
きっと、ずっとワルオンで遊んでいることに心配しているのだろう。
付箋を読み終わった咲は、颯爽と夕食を電子レンジで温めいただきますをし食べ始めた。
食べ終わった咲は素早く食器を洗い、元の場所に戻し自分の部屋へと戻っていった。
「おやすみ」
そのままベッドに入り、眠りについた。
翌日。
「よーし! 今日もワルオンをやるぞー!」
超元気になったメリルはいつものようにワルオンにログインした。
そして少し前にユイからメッセージが来ていたことに気付いた。
「ユイさんからだ! 何だろう?」
チャット画面を開きユイをタップした。
ユイ:久しぶりか分からないけど、お久しぶりメリルちゃん! こんな朝早くにチャットしてごめんね。今日初期ステータスに追加振りが実装されるって聞いたからメリルちゃんと見てみたいなーって思って送っちゃった!
もし何も用事がなかったら返事待ってるね!
メリル:もちろん何も用事は無いです!
ユイ:じゃあいつものカフェに8時集合でいい?
メリル:了解です。行きます!
チャット画面を閉じ、今日のお知らせを見始めた。
『今日のお知らせ♪』
・ステータス追加振りの実装
・隠しレアスキルの実装
「ズルズル……」
メリルはいつもの如く特等席でアイスカフェラテを飲みながらユイを待っていた。
もはやこのカフェに来すぎて全ての店員さんに顔と名前を覚えられ、今日は何を飲むかを当てるクイズまで勝手に店員さんがやっている。
ちなみに、もし当たったらその店員さんは店の飲み物が1杯無料になる。
だからわたしもここのカフェにしか来ていない。
「ユイさんいらっしゃいませ! メリルさんならあちらに……」
ちなみにユイもこのカフェの超常連客である。
このカフェの常連客になった理由は、メリルが好きだったカフェだから。
「おはようございますユイさん」
「おはようございますメリー」
ユイは背負っていた剣を横に立てかけ、メリルと同じ物を注文する。
「ステータス追加振りも気になるんですが、もう一つ気になることがあって……」
「やっぱり隠しレアアビリティですか?」
「そうですそうです! レアアビリティってどんなのがあるんだろう」
「まずは、ステータスの追加振りをしましょうか」
「ですね!」
二人ともアイスカフェラテを飲み終わり、カフェを出ていった。
「どうぞ」
メリルの鍛冶屋へと着き、ユイを中へと招待する。
入った瞬間に「おぉ綺麗」とユイは呟く。
しかし、ソファーに座った瞬間……、友達の家に遊びに来たような感じになった。
「お茶とかありませんが、いいですか?」
「ゲームで気遣いはやめてね」
ユイはそう言いながらステータス画面を開いた。
ワルオンのステータスは「攻撃力」「守備力」「素早さ」「運」の5つ。
初期ステータスは全て+30から始まり、レベルアップする度に均等よくステータスが1ずつ上がっていく。
しかしそれでは、自分の上げたいステータスを選ぶことができなかった。
ちなみにステータスの最終上限は、『+1000』である。
ステータスの追加振りでは、自身のレベルが1上がることに『追加ポイント』を1取得する。
追加ポイントの所持上限は500であり、一つの項目に追加できるptは最高で300。
「うーん……」
鍛冶師のメリルは剣や武器を扱えないためかなり悩んでいた。
「現在84Lvの私は84pt持ってるけど、鍛冶師なら運を上げるべきなのか。それとも素早さと運を上げて戦闘時に素早く武器を直せるようにするべきか。私もいつか戦う時が来るだろうし、攻撃力に「+40」、運に「+44」でいっか」
「ユイさんはどうしました?」
「私は攻撃力、守備力、素早さを均等に24ptずつ上げたよ」
「もうユイさんも73Lv……、凄いですね!」
「そうかな?私には分からない」
ステータス追加振り後の二人のステータスは、こうなった。
【メリル】
攻撃力「+124」
守備力「+84」
素早さ「+84」
運「+94」
【ユイ】
攻撃力「+97」
守備力「+97」
素早さ「+97」
運「+73」
メリルはステータスの追加振りが済むと、
「そういえば……、明日から修学旅行でした」とユイに話しワルオンからログアウトした。
そう……、明日から修学旅行が始まる。
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