断章Ⅳ「地球滅亡まで、あと僅か」

 此処ではないすぐ其処でのこと。


 『彼ら』は辿りついた。そう、この星に。

 そしてだいぶ流暢になってきた日本語で、現状確認を始める。


 「おい!なんで着星するとき不可視光線放出解除したんだ!」

 「お、怒らないでよジャスティン…、うっかりしてたんだよぉ…。あうぅ…」

 「泣くなフルール!大変なのはこれからだぞ!?」

 「まーまー、無事3人生きてたんだからいいんじゃないかなー」

 「そ、そうだよねコルニ!大丈夫だよ、誰にも見られてないよきっと」

 仲の良さそうな彼らは、金星人。この星のあるものを求めてやってきた。


 「そーそー、それに、どっちにしたって地球人がいたら交渉する練習もしてたじゃない。ジャスティン、なんでそんなにビビってるの?」

 「な、ちがっ、ビビってなんかない!俺はきちんと準備をして慎重に…!」

 「あーはいはいそうだねー、流石僕らの隊長さん。頼りになるねー」

 「うっ…く……」

 「ね、ねえコルニ…? ジャスティン泣いちゃいそうだよ?」

 「あはは、ごめんってジャスティン。ちゃーんと僕達わかってるから。さ、とりあえず降りてみようよ。幸いこの地点は夜みたいだし、きっと地球人はみんな眠ってて気付かなかったさ」

 「…あ、ああ!さあ、行くぞお前ら!」


 「おーっ!」

 「おー」


 地球滅亡まで、あと僅か。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る