断章Ⅲ「地球滅亡まで、あと200,000km」

 此処ではない何処かでのこと。


 『彼ら』は到達した。そう、近くて遠い、お隣さんに。

 そしてやはりどこか聞きなれない日本語が、三人乗りの小さな船の中に反響する。


 「見エタ見エタ。チキュ見エター」

 「ヤッパリチキュ、キレーダナァ。ホ、ホントニ壊スノ?」

 「当タリマエダ。先祖ノ無念ヲ晴ラスノダ。今度コソアノキレーナノ持チ帰ル」


 「ヤット日本デ見ツケタモンネー。日本ノガ一番キレー」

 「ソウダ。今ハ緑ダケド、マタキットピンク色ニナル。アレ欲シイ」

 「カ、帰ッテ来ルトキヤッパリ、〝ウラヌス〟使ウノ?」

 「ジャナキャ帰レナイダロ!オマエ、チャントニホジンニ最初ニ言ウ言葉、覚エタノカ!?」

 「ダ、大丈夫ダヨ。コウ言エバイインデショ?」


 「ワレワレハ、ウチュウジンダ」


 地球滅亡まで、あと200,000km。

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