第109話 変貌
監視カメラに
「この女が手引きしたのか」
ミカの
「ここからが
意味が
画面の奥にプレハブの住宅が写り込んでいるが、屋内の映像だ。大型倉庫の内部だろうとチャオは見当をつけた。
警報が鳴り響き、小僧犬の兵隊らしき数人の男が女と少女を取り囲む。女の手から少女を引き離すと、男たちは女に暴行を加えだした。
少女が女に向けて何やら
「言葉が分かるからって
人の生き死にを小僧犬は事も無げに語る。
画面の中の男たちは
「退屈なんだけど。早回ししてよ」
「もうじきだ。楽しみたいなら
小僧犬の
取り押さえていた男の
画面が不意に明るくなった。画像の
「回復魔法、いや違うな」
呟いたミカが、親指の爪を
紺碧の光に包まれた女の全身が、大量の水を流し込んだように
「
「召喚って、ゲームに出て来るあれ?お化け呼び出して戦わせるやつ?」
チャオの問い掛けを無視して、ミカは画面を食い入るように見つめている。女の体は変化を続け、膨張を続ける筋肉が、女の身に着けたシャツを内側から押し破っていく。
意識を取り戻した女がコンクリートの床に手を
女が顔を上げた。監視カメラのひとつが女の顔を正面から
「これからは性転換にわざわざ海外まで行くことはねぇ。あのガキにお願いすればあっという間だ」
女から変化した
「いいなぁ。おれも背ぇ伸ばしてぇな。あと5ミリでいいからさ」
馬鹿げた冗談が耳を突くが、反応する気にはなれなかった。画面の中の男は、なんというか・・・・・。
「
男が不意に右手を伸ばした。異様なほどに大きな男の
各国の
兵たちが
その動きはさなが実体を持つ黒い
兵たちもただ打ちのめされていくだけではなかった。後方にいた数人が銃を抜いて男に向けて発砲した。軍隊経験者にしかできない、
男の身体が
十数人の兵たちの半数以上が、戦闘開始から数秒で打ち倒されていた。その全てが一撃で
だが、小僧犬の抱える兵たちもまた
「そう。そうこなくっちゃ」
意識したわけでもないのにチャオの口元が吊り上がる。二人が構えているのは自動小銃の中でも特に殺傷力が高いAK47だ。
小銃を構えた二人は、それぞれが立ち撃ちと
「よし、
思わず声が出ていた。結果は解っていたが、それでもハンターとしての本能が、チャオの精神を
身を乗り出したチャオの
闇の中でフラッシュライトが点滅した。同時にカタカタと鳴るAK独特の射撃音が
蛍光灯が
吊るし上げられた兵の手から、音を立ててAKが床に落ちる。そこまでが限界だったのだろう。それまでどうにか
「この先は大して面白くもねぇ。応援に来た連中が駐車場で叩きのめされるが、まぁそれだけだ」
小僧犬がリモコンを操作すると、昭和のアニメの続きがモニターに映し出された。
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