考えない

 病院は最後まで解決法のないまま、通うのをやめることにしました。


 理由としては、担当の精神科医が自分に合わなかったから、が大きかったです。

 これは良くあることらしく、長年通う方は合う先生を探してあちこち行くらしいです。


 私の場合は、ストレスの原因が職場にあるのは明らかでした。

 だから病休を申請するための診断書を出して欲しいとお願いしたのに、「仕事は休まない方が良い」と助言され、書いて貰えなかったことが本当に辛かったです。


 確かに、うつ状態の時は環境を変えない方が良いということは知識として知っています。

 でも、その頃の頭の中は対人恐怖や不安感でいっぱい。食事も満足に摂れず体はフラフラ。加えて処方された薬の影響もあり、全身が休養を訴えていました。


 事実、仕事を辞めたあとは数週間、寝たきりになりました。社会復帰にも数か月かかってしまいました。

 もっと早く辞めていれば、あそこまで酷くならなかったかもしれないと今でも思います。



 そんな経緯いきさつのあった先生ではありましたが、有益な助言もしてくれました。それが「考える時間を減らしてください」です。

 ストレスの原因の一部は、止まらないグルグル思考でした。ちょっとしたことや人の言動が延々と気になってしまうあれです。


 それを減らす手段として、なんでも良いから作業をして、出口のない思考へ落ち込む時間を減らすという意味でした。そのために、仕事を休んだり辞めたりしない方が良いという判断だったわけです。


 ……私の仕事は単純作業も多く、頭は別のことを考えてしまうので駄目だったのですけどね;

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